準備は出来た
なれないメイク
なれない巻き髪
なれないおしゃれな服
全部初めてで緊張するけど、彼のためなら
なんでも出来た
よし、もう出発しよう
いつも通りホームで電車を待っていた
そこにはいつもと雰囲気が違う
あなたちゃんがいた
声をかけようとした時
やばいとめなきゃ
そう思ったけど向かい側のホームにいるせいで
声は届かないし、行ってる間になにかあったら
と思うとなかなか動けなかった
声は聞こえない
だけどあなたちゃんは完全に怯えていた
俺が助けなきゃ
行かないと
人が多いせいで向かい側に行くまで
時間がかかってしまった
そこにあなたちゃんの姿はなかった
学校に遅刻するとかそんなの考えていられない
あなたちゃんが無事なのかそれだけ気になった
だから俺はひたすらあなたちゃんの名前を
駅で叫んだ
きっと変な目で見られていたと思う
駅のホームの真ん中で叫んでる変なやつ
だけどそんなことはどうでもよかった
多目的トイレの前でうずくまっている
あなたちゃんを見つけた瞬間
俺は走った
あなたちゃんの手を掴んで
人混みから離れていく
その間あなたちゃんはただ無言で
泣いていた
あなたちゃんの手が震えてる
怖い思いをしたんだ
俺は何も考えずにあなたちゃんを抱きしめた
泣きながらありがとう、ありがとうって
何回も言ってくれる
やっぱ俺が守らなくちゃダメだ
そう思った
あなたちゃんは泣きながら
そう言ってくれた
あなたちゃんの傷を少しずつ癒していこう
俺がたくさん愛してあげよう
俺があなたちゃんを笑顔にしよう
俺はもう一度あなたちゃんを抱きしめた














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。