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第1話

プロローグ
78
2025/06/05 16:45 更新
私は満月より三日月が好きだ。

…友人は皆満月が好きだというけど、
私は三日月特有の少し暗い夜…
そして、どこか優しく柔らかな光が好きだ。

小さな時からずっとそうだった。

母も父も、夜になるとずっと月を探して眠らない私に手を焼いていたみたいだ。

今でこそ大人になって聞き分けが随分と良くなったが、
三日月見るまで寝ない!やだ!なんて駄々をこねる私の動画を見せて今もたまにからかってくる。

私は毎晩毎晩月を見上げる。

無性に恋しくなる、あの遠い遠い月。

美しい三日月。

幸せな時間。

穏やかな時間。

でも三日月を見ていると

何故か胸が、

胸がじくじくと痛む。

何か、

なにか大切なことを、

忘れているような気がする。

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