第4話

断る理由
830
2025/10/02 14:11 更新
あなた
ん〜、おいしいぃぃぃ〜…!
あなた
これ買う!
マシュマロ専門店に入ってすぐ、試食を堪能する。
マイキー
これウマい
あなた
お目が高い〜
マイキーが賞賛したのは、知名度こそ低いものの、マシュマロ好きにとってみれば神のような存在のマシュマロだった。
あなた
買ったげよう
あなた
三個入れて〜
マイキー
オレそんなにいらないんだけど
あなた
マイキーひと袋、私ふた袋
マイキー
…大丈夫なのか?色々
あなた
大丈夫だよ、お手頃価格だし
そう言いながら、マイキーが持ってくれてる買い物カゴに袋を三つ追加する。
あなた
あ、これもオススメだよ!
マイキー
中に小さな苺ジェルが入っているマシュマロをひとつ取り、マイキーの口元まで持っていく。
マイキー
…え
あなた
ほら、口開けて
マイキー
…あー
私が言うと、大人しく口を開けるマイキー。
その口の中に、ポイッとマシュマロを放り込む。
あなた
ど?
少し下から覗き込むようなかたちで聞く。
マイキー
あ、これエマとか好きそう
あなた
お、じゃあ買ってっちゃおうか〜
ポイポイっとまた三つ追加する。
マイキー
なァマジで大丈夫??
あなた
大丈夫だよ〜
あなた
私にとって、月の終わりのご褒美だから
マイキー
でもオレは…?
あなた
可愛い後輩兼友達に奢るために、しっかりバイトしてるんです〜
しかも今月は、ファミレスバイトでのまかないが多かったため、食費も若干浮いている。
今使わなきゃ損だ。
マイキー
そーゆーことなら、サンキューな
納得したのか、マイキーが微笑む。
あなた
ん、よし!
あなた
あ、次はあっち行こ〜!
あなた
家帰ってから食べるのが楽しみだなぁ…!
すっかり日が傾いている道を、二人で歩く。
春の夕方にしては暖かい気温に、春の終わりを感じながら、マイキーと話す。
マイキー
エマもシンイチローも、喜ぶと思う
あなた
よかったよかった
クーポンを持っていたため、佐野家の分も買えて本当に良かった。
マイキー
…でさ、やっぱ東卍には入んねーの?
あなた
突然言われた言葉に、一瞬戸惑う。
そうだ。前々から、マイキーに東卍に入らないか誘われてたんだっけ。
あなた
そうだね〜
あなた
なんというか、柄じゃないし
マイキー
柄じゃなくても、充分ツエーし
あなた
ん〜、でも別に、喧嘩が好きな訳じゃないからなぁ
武道を守るため。ただそれだけで、戦ってきた。
マイキー
じゃあ、抗争とかには出なくてイイから
マイキー
東卍に入ってるって事実だけあれば
あなた
え〜?
あなた
どーゆーことー
少し笑いながらマイキーの方を見る。
オレンジ色の明かりに照らされているマイキーの表情は、どこか寂しそうな気がした。
あなた
…どうしたの?
マイキー
…東卍って、ツエーんだよ
あなた
え?あ、うん…
急にどうしたんだろう、と思いながらも、話を聞く。
マイキー
ヘタに喧嘩ふっかけてくるヤツも全然いねーし
マイキー
つっかかってくるヤツらも、東卍の名前出せば、すぐに逃げる
あなた
うん
マイキー
…ここら辺じゃ、割とあなたの他の名称の名前も有名だし
あなた
……うん?
マイキー
安全だと、思う
言っている意味が、少し分からなかった。
あなた
えと…
あなた
それはどういう…?
マイキー
東卍に入ってれば、あなたのお名前が危ない目に遭わねーようになる
私と同じくらいの身長なのに、なぜかマイキーが大きく見える。
あなた
…そういうことなら、必要ないよ
マイキー
なんっ…!
あなた
だって









あなた
東卍に入ってなくても、マイキーなら助けてくれるでしょ?
マイキー
マイキー
それはっ…!守る、けど…
ほのかに赤くなる、マイキーの頬。
マイキー
はあぁぁぁ……
マイキー
しょーがねーから、それで妥協してやる
あなた
えぇ〜?
あなた
満更でもなさそーだけど〜?
マイキー
うっせぇ!
可愛いなぁと笑いながら、私たちは夕暮れの道を二人で歩き続けた。

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