マシュマロ専門店に入ってすぐ、試食を堪能する。
マイキーが賞賛したのは、知名度こそ低いものの、マシュマロ好きにとってみれば神のような存在のマシュマロだった。
そう言いながら、マイキーが持ってくれてる買い物カゴに袋を三つ追加する。
中に小さな苺ジェルが入っているマシュマロをひとつ取り、マイキーの口元まで持っていく。
私が言うと、大人しく口を開けるマイキー。
その口の中に、ポイッとマシュマロを放り込む。
少し下から覗き込むようなかたちで聞く。
ポイポイっとまた三つ追加する。
しかも今月は、ファミレスバイトでの賄いが多かったため、食費も若干浮いている。
今使わなきゃ損だ。
納得したのか、マイキーが微笑む。
すっかり日が傾いている道を、二人で歩く。
春の夕方にしては暖かい気温に、春の終わりを感じながら、マイキーと話す。
クーポンを持っていたため、佐野家の分も買えて本当に良かった。
突然言われた言葉に、一瞬戸惑う。
そうだ。前々から、マイキーに東卍に入らないか誘われてたんだっけ。
武道を守るため。ただそれだけで、戦ってきた。
少し笑いながらマイキーの方を見る。
オレンジ色の明かりに照らされているマイキーの表情は、どこか寂しそうな気がした。
急にどうしたんだろう、と思いながらも、話を聞く。
言っている意味が、少し分からなかった。
私と同じくらいの身長なのに、なぜかマイキーが大きく見える。
ほのかに赤くなる、マイキーの頬。
可愛いなぁと笑いながら、私たちは夕暮れの道を二人で歩き続けた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。