放課後。いつものように寮に帰ろうとしていたら。
その場にいた由姫や弥生に驚かれた。
笑顔で見送ってくれる由姫に手を振りながら、教室に向かった。
無事に見つけ、戻ろうとしたとき。
資料室に1人掃除をしているあなたの名字さんがいた。
そう言えば、数学で当てられて楠本に雑用任されてたな…。
思い出しても、手伝うほど仲がいいわけではなくて、そのまま通り過ぎようとした。
あなたの名字さんの叫び声が聞こえて、資料室に駆け込んだ。
そこには後ろに倒れるあなたの名字さんが…!
とっさにあなたの名字さんの体を受け止める。
由姫よりも小柄で、細くて、今にも折れそうな体。
怖かったのか、どこかいつもより震えて幼さを感じる顔。
まだ少し驚いているのか、ぼーっとした様子で答える。
パッと笑顔を向けるあなたの名字さん。
その笑顔は由姫よりも儚げで…、どこか懐かしさを感じた。
ギュッと胸が少し痛む。
いつまでもあなたの名字さんを抱える俺に疑問を持ったのか、戸惑ったように俺の腕を見た。
俺は我に返り、あなたの名字さんを離す。
綺麗にお辞儀をしてお礼を言うあなたの名字さん。
遠慮がちにそういう。
パチパチと目を瞬くあなたの名字さん。そしてさっきよりも華やかに笑った。
その言葉は『あなたは特別です。』と言われてるように感じて。
また、胸の痛みを感じた。
NEXT―











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!