第2話

1話
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2025/12/10 13:36 更新















カフェのカウンターでカップを拭きながら、あなたはふと昨夜の光景を思い返していた。



あなた
(──あの人、無事だったかな…)



深夜。


大学の帰り道。


月明かりも届きにくい裏路地の端に、黒いパーカーの男性が座り込んでいた。


最初は酔っているのかと思った。


でも近づくと、服の袖は裂け、血が滴り落ちている。



あなた
ちょ、ちょっと!大丈夫ですか!?



呼びかけると、男性はゆっくり顔を上げた。


鋭い目、低い呼吸。


けれど意識はある。



……何…あんた…



低い声が、かすかに震えていた。



あなた
このままじゃ失血しちゃいますよ!



あなたがバッグから救急セットを取り出すと、男性──楽は眉をひそめた。



……触るな…。巻き込む気はない…



あなた
巻き込まれるかどうかより、今止血しないと危ないですよ!



いつもの自分じゃ考えられないくらい強く言って、あなたは膝をついた。


袖をまくろうとすると、楽が手首をつかむ。



……手当てなんていらねぇ



あなた
いります!いらない理由なんてありません!



あなたの勢いに、楽は反論を諦めたように手を離す。


その仕草すら、痛みを堪えているのが分かった。


消毒液を吹きかけると、楽の肩がびくっと震えた。



……っ



あなた
ごめん、ちょっと沁みるけど我慢してください…!



……医者なのか



あなた
まだ学生です。でも、最低限の応急処置はできますので



あなたは手早く止血をして、包帯を巻く。


楽はじっと動かず、ただあなたの手元を見ていた。



……変なやつ



あなた
今手当てを受けている人が言うことじゃないですよ



普通は逃げる



あなた
普通とか知りません。助けられるなら助けます!



そう言い切ったあなたを、楽は少しだけ目を見開いて見つめた。


そのあと、ほんのわずかに目を伏せる。



……助かった



消え入りそうな声で。


それきり彼は力を抜いて座り込んだ。



あなた
(ほんと、すごい傷だったな……。無事だといいけど…)



あなたは現実に戻り、カップを棚に戻したところで──



カランと、ドアベルが鳴った。


瞬間、あなたの手が止まった。



カウンターの前に立っていたのは、昨日手当てしたあの男性。


黒いパーカーに無表情、張り詰めた気配だけはそのままだ。



あなた
(良かった…無事だったみたい)



安堵が胸に広がるものの、言葉が出ない。


そして楽の後ろに、二人の男が続いて入ってきた。


一人はスーツを着て、トナカイの被り物をしている男性。


もう一人は柔らかい笑みを浮かべている男で、ぱっと見は優しげなのに、どこか底が見えない。



あなた
(な、なにこの三人…絶対ただの友達グループじゃない)



店内の空気が一瞬で張り詰めた。


三人は並んでカウンターに来た。


柔らかい笑みの男が店内を見渡し、あなたに向かって言った。



スラー
落ち着いた雰囲気だね。いい店だ



あなた
あ、ありがとうございます…



無意識に丁寧な声が出てしまう。


スーツの男は店内の構造を観察するように目を動かし、静かに頷いた。



鹿島
いいお店ですよね



あなた
(コメントが“お客さん”ってより“視察っぽいんだけど…)



そして、昨日の男性──楽があなたをじっと見つめてきた。


あの鋭い目で。


でも、昨日よりは少しだけ柔らかいようにも見える。



あなた
(気づいてる……完全に)



……昨日のこと



彼が低く言うと、背筋がびくっと震えた。


言葉を続けるかと思ったけれど、彼は短く息をついてから言う。



助かった



その言葉が、やけに重く響いた。


男性の一人がくすっと笑う。



スラー
ほお……君に助けてもらったんだ? 彼がそう言うのは珍しいんだよ



あなた
え、えと……その……偶然で…



耳が熱くなるのがわかる。


昨日の深夜のことを思い出してしまい、手が少し震えた。


香ばしいコーヒーの匂いと、この3人の圧のせいで胸の鼓動が早い。


スーツの男性がじっとあなたを見る。



鹿島
手当てしたんですか?



まるで“確認”するような声。


あなたは慌てて頷く。



あなた
は、はい……!見つけて……その、放っておけなくて……



鹿島
ふむ



彼は感情を表に出さないまま視線を戻した。


まるで評価されたようで緊張が走る。


柔らかい笑みの男が続ける。



スラー
ありがとうね。彼、少し頑固だからさ



あなた
えっ……そ、そんなことは……



言葉に詰まっていると、楽が小さく声を落とした。



……コーヒー。ブラックで



唐突な注文に、あなたは「は、はいっ」と返して注文をとった。


けれど会話の余韻で手元がわずかに震えた。


2人の男性は席に向かうが楽だけが一度足を止め、ほんの少しだけあなたを見返した。



あなた
(なに……今の……?お礼かなにか…?なのかな……?)



疑問がありながらも、あなたはコーヒーを淹れ始める。


3人が座る姿は、どう見ても普通の客ではない。


空気の重み、視線の強さ、静けさ。



あなた
(ほんとに危ない人たちなんじゃ……)



けれど不思議と、怖いだけではなかった。


昨日助けた男性が、こうしてちゃんと歩いている。


それが何より嬉しかった。


──この再会が、あなたの日常を大きく変えるとも知らずに。






作者
作者
今回はここまでです!
作者
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一応原作通りにしようかと思っていますが、若干オリジナル要素がはいると思います
作者
作者
ご視聴、ありがとうございました!🙇





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