8月8日
僕は最後の補習
毎日毎日補習があるなんて聞いてない
やっとメインの夏休み課題に取り組める時が来た
あれ?
そう云えば芥川は?
僕は補習が思ったあと
複雑な気持ちで携帯のパスワードを解き
LINEの画面を開く
もちろん芥川からの連絡は無しだ
あの時〈一日で終わらせる〉と云った瞬間の
僕の心の中の期待はどこへ行ったんだ
まァ、僕も補習があるなんてあの時は
すっかり忘れていたのだけれど。
『芥川聞いてくれ』
この文字を送って数十秒後『既読』の文字がつく
『何だ』
『やっと補習全部終わったぞ』
__御前の方はどうだ、一日で終わらせるなんて
云っておいて全然終わってねぇじゃん
しばらく既読がついた儘だった
云い過ぎたかな
するとぽん、と相手の方の吹き出しが
ひとつ増える
『僕は全て終わらせたが?』
__一日で
腹の立つ倒置法の後
ひとつの写真が送られてくる
それはどう見ても先生が芥川用に
作ったプリントだった
参加していない授業の項目があり
その隣のマスには行った日付けを書くように
なっている
そのマスには見事に夏休み初日の日付が
ずらっ、と全てのマスに記入されている
『…流石芥川』
『貴様。課題は如何した』
『今日から取り組むつもり』
『そうか』
『てか、まさか御前もう課題終わったのか?』
『嗚呼』
僕は驚きのあまり気持ちが複雑だったので
絵文字を送った
こんなのを
😩
僕は一生懸命課題に取り組んだ
芥川になんか負けてられるか!
でも僕にとって1番最悪で
やりたくない課題がある
それは…
" 地理。街の中で自分の観光地を探そう "
何だこの卑劣極まりない課題は。
横浜だぞ、中華街があるじゃないか
他にも観光スポットは沢山ある
これさえも芥川は終わらせたのか
流石だな、と心の底から珍しく尊敬の意。
芥川はどこにしたのか聞いてみたいが
絶対彼奴は〈どうせ似せるだろう〉なんて云って
僕の心を読んで教えてくれないだろう
しょうがない。この課題の為に出かけようか
等と考えていた
「あ、」
僕は思いついた
この課題を " 遊び " として
横浜周辺を探索。
芥川を誘うのは如何だろうか
そしたら芥川と一緒にこっそり課題を
行うことが出来る
最高の案だ。
僕は早速芥川を誘う
〈承知〉のこの2文字が送られてきた。
課題は難なくこなせそうだ
続












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。