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第10話

きゅーう!
2,594
2024/11/26 22:00 更新
作者
作者
※これは紫桃です。誰が何と言おうと紫桃です
暇72
助かったぁー…危うくらんの家のトイレの妖精になるところやった
LAN
それはガチでやめて
 ジト目で見てくるらんに冗談だと肩をすくめてみせると、らんはやれやれとでも言うようにため息をついた。
暇72
つうか、いるまとはどうなったんだよ?せっかく2人にしてやったんだから、何かしら進展あったよな?
LAN
いやぁ、進展どころか後退したかもというか…
暇72
は?どゆこと?
LAN
俺がちょーっとだけ意地悪しちゃったというか…あはは
 乾いた笑みを浮かべるらんから洗いざらい事情を説明させたなつだが、だんだんとひどいめまいを感じるようになった。いるまも好きな人をいじめる小学生タイプだと思っていたが、らんも大概ではないだろうか。
暇72
おまっ、ほんっとに何してんだよ!?ただでさえ奥手を通り越して世界のヘタレチャンピオンのいるまだぞ!?いじめてどうする!?ドSの繊細なハートを弄ぶなよ!!
LAN
そこまで言わなくても…
暇72
言うわ!なんならもうおまえから告れよ!
LAN
告ったよ!!
暇72
告ったの!?
 勢いに任せて会話していたが、まさかの告白済みという新事実。驚きのあまりなつが大声を上げると、らんは恥ずかしそうに顔を手で覆って頷いた。なつの開きっぱなしの口と目は当分閉じれないかもしれない。
暇72
え…ちょっと待っっって?え?こく…いつ!?
LAN
えっと、ちょっと前の顔合わせの後。俺さ、せっかちっていうか、焦れったいのがめんどくさかったというか、寝不足で頭回ってなかったというか…勢いでそのまま告白したんだよ。いるまに
暇72
そ、それで?
LAN
そしたら、いるまが棒立ちのまま後ろに倒れちゃって
暇72
…………………
LAN
起きたときには何も覚えてなかった
 もう何もツッコみたくない。心底そう思いながら目線を地面に落とすと、玄関近くに光るバットが目についた。確か、記憶喪失の治療法に頭叩くやつとかなかったっけ。

 そうと決まればあとは実行あるのみ。なつはズンズンと玄関先まで歩いていくと、らんの困惑した声を無視してその金属バットを手に装備した。
暇72
よし、任せろ。今すぐいるまの頭引っ叩いて記憶呼び戻してくる
LAN
落ち着け、なっちゃん!それ俺の金属バット!!
暇72
この際手段は選ばねぇ!!もうこれで戻らんかったら強制的に既成事実作らすしかねぇんだよ!!
LAN
何その話俺知らない!?
暇72
さっき決めた!
LAN
んな勝手な!?
暇72
すべてはヘタレチャンピオンのせいだよ!!……でもその前になんでらんは金属バット持ってんのか聞いていい?
LAN
え、あー、この前ストーカーっぽいのいたからそれ買ってドアの前で振り回してた。もう来なくなってたから使い道なくなったんだよな
暇72
情報量!!
LAN
なつに言われたくないわ!!
 正直どっちもどっちであるとツッコんでくれるツッコミ要員は残念ながらここにはいない。そもそも普段はこの2人がツッコミ要員なのだ。その2人がこの有り様では、ツッコミ不在のカオス空間が爆誕するのも仕方がない。

 だが次の瞬間、まるでこの場を収めるようになつのスマホから通知音がなった。それに双方ピタッと言い争いをやめる。
暇72
あー、ごめんらん
LAN
いや、こっちこそ。俺、いるまの方に戻るな
暇72
おー
 生返事をらんに返しながら通知を見ると、いるまからのメッセージだった。不思議に思いながらトーク画面を開ければ、内容は簡潔に『縮んだ』の一言。瞬間、弾かれたようになつは駆け出すと、リビングのドアを開けかけていたらんの腕を掴む。ドアの隙間からは服に埋もれた小さな塊がもぞもぞ動いているのが見えた。
暇72
あ、あー、その…いるま、頭痛いらしくて、頭痛薬持ってきてくれん?
LAN
え、大丈夫、それ?もしかしてショックのあまりに…!
暇72
そうかもな
 おちゃらけた調子でそう言えば、らんは「まさか」と苦笑いを浮かべながら自室の方へ向かった。
暇72
(あながち間違ってないんだけどな)
 ひとまず安堵の息を吐き、なつはリビングに入る。
暇72
可愛い姿になったなぁ、いるいる〜
いるま
うるせぇ
 からかい口調のなつの声に反応してソファの背後から這い出て来たのは、随分と幼くなったいるま。鋭い目つきはそのままに、ふくよかな頬を膨らませたその姿は何とも愛らしい。しかし、それにしても…。
暇72
おまえ、ストレス耐性なさすぎん?
作者
作者
なんだろう…最近カオスしか製造していない気がする…?

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