第4話

タカシ編 (中編)
5
2024/06/05 22:53
ゆみ
ゆみ
ひな、ゆうや、会いに来たよ。
ひな
ひな
いらっしゃい。
・・・ゆみ?
その子は?
ゆみ
ゆみ
ひなに会いたいって言ってたタカシ君だよ。
ひな
ひな
タカシ君・・・ってもしかしてあの時の?
ゆうや
ゆうや
ひな、覚えているのか?
タカシ
タカシ
覚えてくれていてよかったっす。
俺が覚えている限りだと小6、そして中学生の時にワンダーランドで会ったことがあるっすね。
ひな
ひな
ワンダーランドの時、お礼は言えてなかったけど、一緒に事件解決に協力してくれてありがとう。
タカシ
タカシ
そうっすか?
なら、お役に立ててよかったっす!
タカシ君の表情がなんだか少し穏やかになっている。
ゆみ
ゆみ
タカシ君、それでタカシ君の悩み事っていったい何なの?
タカシ
タカシ
・・・今から言うことは、今は誰にも話さないでほしいっす。
私達にしか話せないこと?
ひな
ひな
うん、分かったよ。
ゆうや
ゆうや
何でも話せばいいぞ。
タカシ
タカシ
分かりましたっす。
俺は・・・呪いにかかっているんだ・・・
ゆみ
ゆみ
呪い・・・?
タカシ
タカシ
・・・これを見てほしいっす。
タカシ君が見せたのは力のカタチだった。
だけど・・・
ひな
ひな
・・・!?
これって・・・
ゆみ
ゆみ
・・・!?
ゆうや
ゆうや
お前・・・
彼の力は真っ黒に染まり、闇のオーラを放っていた。
ひな
ひな
これって・・・暗闇の力・・・!?
暗闇の力はひなの持つ見破りの力と対になる力。
その力はとても危険で邪悪だ。
呪われることもある。
実際、成美とクロハは過去に暗闇の力を受けて呪われていた。

けど・・・タカシ君にかかっているこの暗闇の力の呪いは二人にかかっていた呪いとは全然違う。
まるでがんじがらめているような感じだった。
かなり強い呪いだと感じた。
タカシ
タカシ
俺は数年前にこの力を持ったやつに襲われて呪いを受けてしまったっす・・・
俺はそのせいで楽しい雰囲気も感じ取ることができなかったっす。
ゆうや
ゆうや
彼も影響を受けていたのだな・・・大丈夫なのか?
タカシ
タカシ
今のところは・・・多分、
ひな
ひな
・・・
ひなはタカシ君の力をじっと見つめた。
ひな
ひな
・・・かなり強い呪いだわ。
これは・・・私でも解けないかも。
これを数年間も受けていたの?
タカシ
タカシ
はい。
本当は・・・迷惑をかけたくなかったし、何よりもみんなに恐れられるのが怖かったんだ。
タカシ
タカシ
だから・・・誰にも相談できず、ひとりで抱えていたんだ・・・
タカシ君は涙をこぼしていた。
ゆみ
ゆみ
タカシ君・・・
ギュッ
タカシ
タカシ
・・・!?
ゆみ・・・!?
気づけば私はタカシ君を抱きしめていた。
タカシ
タカシ
お、おい・・・!
俺は強い呪いにかかっているんだぞ!?
そんなことをしたらお前まで・・・
ゆみ
ゆみ
私・・・タカシ君を助けたい。
タカシ
タカシ
・・・!?
ゆみ
ゆみ
こんなに辛い気持ちをひとりで抱え込まないで・・・!
呪われているならなおさらよ・・・!
ゆみ
ゆみ
それに、みんなはちゃんとタカシ君のことを受け入れてくれると思うわ。
私もひなもゆうやも・・・弥生ちゃんだって受け入れてくれるよ。
タカシ
タカシ
・・・
ゆみ
ゆみ
だから・・・自分のことをちゃんと大切にして・・・!!
タカシ
タカシ
ゆみ・・・
私はタカシ君に言いたいことを全部伝えた。
タカシ君は分かってくれたかな・・・?
タカシ
タカシ
本当に・・・いいのか?
ゆみ
ゆみ
・・・!
もちろんだよ!
ひな
ひな
私達もちゃんとそばにいるよ。
ゆうや
ゆうや
だから安心して俺達のところに飛び込んでこい!
タカシ
タカシ
・・・!
タカシ
タカシ
ありがとう・・・ゆみ、アニキ、姉さん・・・!
タカシ君は笑っていた。

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