第22話

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2024/12/22 02:33 更新
やはり梅は分かっているのだ

ジブンが悲しい顔をしているとわかっているのだろう


…ほんとに………これだから…梅は…

あなた
なんで…目なんか、見て話さないといけない?
梅宮 一
教えただろ、目を見ればホントか嘘か分かるって
あなた
そんなの知らない


喉が震えそうになる


頭は冷静でも、体と心は駄目みたい

鼻の奥がツンと痛い


梅宮 一
俺はあなたと話したい
あなた
話すことなんて何にもない
梅宮 一
…あなた



梅は肩に手を置いて、目線を合わせようとしてきた


…あぁ………もう…本当に……!!


梅には抵抗なんて意味が無い


だってそりゃあ最強だから

ジブンなんて足元にも及ばない


あなた
嫌いだ
梅宮 一
やっぱり、嘘が下手だな



梅はふっと笑った


全部、バレた



梅に会いたくなかったのは

勝てるって………1ミリも思えなかったから


喧嘩でも何でも梅は最強

根比べも勿論最強


梅を前にした時点で勝ち目なんてなかった



梅は背を押して2人用のテーブル席に座らせ

自分はその対面に座った



少しだけ顔をあげて気づいた



怪我をしている


…あ、そうか風鈴は今日獅子頭連とやったのか

あそこのトップ、強かったもんな



梅宮 一
なぁあなた、教えてくれねぇか?どうしてそんなに俺の事を避けるのか
あなた
梅宮 一
ちょっと前までは一緒に居てくれただろ?
あなた
梅宮 一
俺に何か思うところがあるのか?
あなた
…………………違う



梅に非なんてある訳ない

梅はいつだって完璧


そう…悪いのは全てジブン



梅宮 一
一緒にいて迷惑かけてる…とでも思ってるのか?


梅の声が低くなる

これは、少し怒ってるサイン


梅宮 一
隣に居て邪魔になると思ってるのか?
あなた
梅宮 一
……俺はそうは思わない



知ってる

梅は優しいから、そうやって言うって知ってた


でもコレは梅じゃなくてジブンが嫌



あなた
…ジブンといると梅の評判が下がる
梅宮 一
評判なんて…
あなた
梅が気にしなくとも、ジブンは気にする



憧れの、尊敬の人が正当に評価されない

自分のせいで………なんて悔しい


性別1つでくるくる変わってしまう

どこまで消したら傍にいられるのか


どこまで消しても隠してるだけに変わりは無い




いつかバレて梅を地に落としてはいけない


その日のために手は離しとく


梅宮 一
……心配性は変わらずだな
あなた
……………違う…自己満足
梅宮 一
俺はあなたが思うほど綺麗な人間じゃない
あなた
………嘘だ
梅宮 一
本当だ



何を言っても梅は真っ向から否定した



梅宮 一
あなた、俺の後輩に会ってみないか?
あなた
急に何?



訳の分からないことを言い出す梅

梅宮 一
もしあなたがそいつをよく思わなかったら俺はあなたの考え方を認める
あなた
…ジブンがその後輩をよく思えば認めない、って言いたいの?


…なにそれ

なんで梅の後輩なんかに会わないと…

梅宮 一
明らか不服って顔だな



梅は乾いた笑い声を響かせた


梅宮 一
…そいつな、街の外の奴なんだよ
あなた



街の外の人間が梅の後輩?


その一言で

名前も顔も知らないその後輩に自分を重ねってしまった



梅宮 一
1回だけでいいから、な?
あなた

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