第54話

2ー12 うん。余裕
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2022/08/14 00:23 更新







in 教室

たった今、いや、正確的には約2秒前にラギー・ブッチの所属教室にカチコミに来ていた。
グリム
グリム
たのも〜〜〜〜〜〜! ラギー・ブッチはどこなんだゾ!
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
うぃーッス。
……………って、また君らッスか。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
何度言われてもデラックスメンチカツサンドはもう返せないッスよ〜。

ラギーは両手を広げてそう言っている。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ラギー・ブッチ。今学園内で起こっている選手候補連続傷害事件について聞きたい事がある。

流石は現代のハートの女王と言うべきなのか、いつもより気高い声でリドルが鋭く言い放つ。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
おぉっと………
そいつぁ穏やかな話題じゃなさそーッスね。
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
ちょーっと表に出てくんない?
怜悧
怜悧
(ケイト先輩目ェ細めてる。こういう時ヤバいんだよなぁ)
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
わかったッスよ。
だから、乱暴な真似はやめてほしいッス。


in 廊下(さっきの教室近く)
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(…………さて。)

リドルは愚考する。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
(どんなものかはっきりしないけど、ラギーにユニーク魔法を使われると厄介なのは間違いなさそうだ。)
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ボクの『首を刎ねろオフ・ウィズ・ユアヘッド』で…………
怜悧
怜悧
! ローズハート先輩、ペン盗られてます!

リドルは気づいていなかった。

自身のマジカルペンを逞しいハイエナに奪われていた事に。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
あれれ〜? リドルくん。マジカルペン無しにそんな強い魔法使って大丈夫ッスか?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
えっ? ………あ、あれ!?
ボクのマジカルペンがない!

尚、マジカルペンを奪われたのはリドルだけではない。
グリム
グリム
オイ、ケイト! オマエのペンもねぇんだゾ!?

ダイヤのトランプ兵も、真紅の魔法石が嵌め込まれたマジカルペンを奪われていた。
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
うそっ! マジで!?
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
シシシッ、 アンタら、さてはお坊ちゃん育ちッスね?
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
懐ガラガラ。隙ありすぎ。
楽勝で盗れちゃったッス。
怜悧
怜悧
(コイツ私と全く同じ事言ってら……)

※1ー6 僕って激ヤバなの? 参照
グリム
グリム
ふな゛っ!? アイツ、いつの間に魔法を使って2人のマジカルペンを取ったんだゾ!?
怜悧
怜悧
あれたぶん魔法使ってないですよ。スリの技術ですね。ニコニコ

う〜ん、地球あっちでは私もそういうのあったからねぇ……。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
嫌ッスねぇ。
こんなの魔法使わなくたって余裕ッスよ!
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
ってわけで、こんな所でボコボコにされちゃ堪んないんで退散させて貰うッス!
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
ばいばーい♪
怜悧
怜悧
あ、

タッタッタッ……
グリム
グリム
コラー! 待つんだゾ〜〜!

ブッチは走り去っていった。

走るの遅いなぁと思いながらぼんやり見つめていると
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
や〜、お前のフラミンゴ当番用のピンクの服、スゴかったわ。ドピンクのヒョウ柄ってwww

エースが通りかかった。
デュース・スペード
デュース・スペード
し、仕方ないだろう。
ピンクの服がそれしか無かったんだから………

へぇ。ピンクの服それしか無かったんだ。

まぁ私服ゼロの私が言える事じゃないけど。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
っつーか、結局変なルールがたくさん残ってるよな。前よりマシだけどさ。
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
あっ、エースちゃんデュースちゃん! いいところに!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
え、どーしたんスか? そんなに慌てて。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
連続傷害事件及び、マジカルペン窃盗の犯人が逃げた!

わぁローズハートお顔真っ赤っか。

私より年上なのに気が短いのって致命的な欠点だね。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
キミたち、今すぐラギー・ブッチを捕まえろ! さもなくば、おわかりだね!?
怜悧
怜悧
(うん。飛んだとばっちりだねぇ。どうでもいいけど。)
デュース・スペード
デュース・スペード
ええぇ!?
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
オレらとばっちりじゃん!
怜悧
怜悧
………なんなら私行きましょっか?
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
え? 監督生あの速さ追いつけんの……って!

ヒュッ

怜悧の姿が消えたのとほぼ同時に、何メートルか先で悲痛な叫び声が上がった。



前回怜悧の驚異的な身体能力を目の当たりにした三馬鹿は半ば青ざめた顔で音の出どころへ顔を向ける。


すると先ほどまで余裕ありありだったラギー・ブッチがほぼ涙目になって必死で逃げていた。

怜悧から。
怜悧
怜悧
(うん。余裕)
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
んぎゃあァァァァ‼︎‼︎   何スか!? アンタ速すぎでしょ!? え、アンタ人間!? ホントに人間スか!?

そのすぐ後にラギーの方からダァンッ‼︎‼︎ という轟音が響いてその瞬間怜悧がラギーを捕獲……? ちょ待ってギチギチって音するよ絞めあげてない?

更に信じがたいのは廊下の床の石(割と硬いやつ)に大きなヒビが入っていた事である。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
……エー

その場の全員放心状態である。

唯一冷静な当事者怜悧が笑顔を浮かべてこう言った。
怜悧
怜悧
うん。この程度のスピードでしたら余裕で追いつけますよ。そこらのチンピラヴィラン共より全然ですね。

((((((マジかぁ……))))))

怜悧以外の全員のハートが1つになった瞬間だった。


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     『2ー13 銀の牙狼は賢い』

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