第3話

3話
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2026/03/02 09:11 更新
司先輩を抱えながら、次の日に朝に城に帰り、咲希さんにそのことを報告した。

咲希さんは、涙を流しながら喜んでいた。
だが、久しぶりに会った司先輩は、大きく変わっていた。

前は元気で明るかったのに、今は目の光を無くし、静かに震えている。

さらに、黒の国に連れて行かれるまでの記憶を無くしてしまったようだ。


腰を低くし、司先輩と目を合わせる。
☕️
司先輩。
ボーッとした目で見つめ返してくる司先輩を見ると、どうしようもなく胸が痛む。

目が見えていないのか……早く病院に行きたい。

だが、すぐに行くと司先輩の負担が増えてしまうので、明後日くらいに行こうと思う。
兵士
団長。そろそろ……
☕️
ああ、そうだったな。
このあとは会議がある。

会議の間、司先輩は1人になってしまう。
それを避けたいが、どうしたらいいのか。
☕️
司先輩……そうだ、神代先輩のところへ行きましょうか。
優しく手を引けば司先輩はゆっくりと立ち上がる。

手を繋いだまま、神代先輩の部屋に向かった。
コンコンと2回ノックすると、扉が開き、中から神代先輩が出てきた。

神代先輩は黒の国から来た魔術師で、主に武器作りをしている。

司先輩と同じ年だから、任せるにはピッタリだと思う。
🎈
おや、青柳くんじゃないか。どうしたんだい?
☕️
神代先輩、こんにちは。差し支えがなければ、俺が仕事の間、司先輩と一緒にいてくれませんか?
🎈
ああ、咲希くんから聞いたよ。わかった。任せておくれ。
握っていた手を離し、俺は神代先輩に司先輩を預ける。

礼を告げ、俺は会議室に向かった。
青柳くんから、黒の国から来た司くんを一時的に預かった。

数十分間司くんといると、彼について分かってきた。

まず、司くんは、何かしないと動かない。

例えば、呼ぶとか、命令するとか。

目は動くが、他は動かない。

黒の国は治安が悪いから、奴隷のような扱いを受けていたのかもしれない。


そして、司くんは黒の国からきたのに魔法を知らない。

魔法を使うと、驚きながら目を輝かせて見てくる。

魔法が好きなのかもしれない。

そう思った僕は、司くんに得意な魔法を見せた。
🎈
司くん、見て
僕は魔法を使い、手から黄色い炎をだす。
すると、司くんが目を少し見開いた。
🎈
これは、優しい魔法使いのお話。
即興で作った物語に合わせて、炎の形を変えたり水を出したりする。
🌟
…………✨
🎈
おしまい。
🎈
面白かったかい?
司くんは真顔だが、楽しかったというオーラが出ている。
🎈
フフ。よかったよ
🌟
……?
なんで分かるんだ?と言いたげにこっちを見ている司くんは、どこか幼さを感じる。
🎈
分かるよ。司くんが頑張って伝えようとしてくれているんだから
🌟
……
司くんの口がわずかに動いた。

読唇術は身につけていないが、ありがとうと言っているような気がした。
🎈
うん。どういたしまして
その瞬間、部屋の扉がコンコンと2回ノックされる。

青柳くんが帰ってきたのか。
🎈
入って良いよ
そういうと、扉がガチャと開いた。
☕️
ただいま戻りました。神代先輩、ありがとうございました。
🎈
うん、司くんに魔法を見せたら喜んでくれてね。僕も嬉しかったよ
☕️
そうなんですね……!
🎈
うん。ああ、そうだ。青柳くん、これを
☕️
は、はい。ありがとうございます
冬弥くんに、僕が司くんを観察している時に書いた紙を渡した。

紙には、司くんの体の状態が書かれている。

魔法で体内を見ることができたが、酷すぎて途中で辞めてしまった。
🎈
司くん、また青柳くんが仕事の時は、いつでも来てね。
司くんは、少しだけうなづいた。
それから、司先輩は神代先輩と仲を深めていった。
司先輩が寝ている間、神代先輩からもらった紙を見る。


【天馬司】

・片耳難聴
・失声症+喉が焼けている
・傷、焼け跡 多
・臓器に傷 有
・独眼
・骨が折れている場所数箇所 有
・右腕が義手(締め付けが緩く、脆い)
・左手の人差し指骨折
・体内に異物 有
・羸痩
・栄養失調
・鬱症(おそらく)

他にもあるだろうから、病院に行ってね。
内容は思ったより残酷なもので、司先輩が黒の国で何をされていたか、嫌なくらい分かった。

また、病院に行くのは、明日にしようと決めた。

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