朝起きると隣に彼はいなかった
体に残る彼奴の温もりを
名残惜しく感じながら
リビングに向かうと
いつものあいつが居た
頭を手で触ってみると
鏡を見なくても寝癖がついてるのがわかる
鏡に映る 四方八方に跳ねた髪の毛
自分の姿を見て笑ってしまう
ギリ普通くらいの髪に直して
リビングに向かうと
ご飯を準備して待っているすにょあが居た
俺の好きなジャムが塗られたパンを
少しかじる
いつもの味がした
2人ともあまり朝は言葉を交わさない
あの日から
テレビもあまり付けない
どの番組も戦争の事ばっかりで
辛くなっしまうから 、ってすにょあが
机に置かれたお揃いのグラス
前の記念日に一緒に買いに行った
水を飲んでいた俺を見つめる
なんて
真面目に目を見て言ってくるもんだから
照れてるのを隠そうとして
パンを口に運んだつもりが
余りにも照れすぎて
食べるはずのパンを鼻にぶつけた
照れが更に倍増して
パンに塗られたジャムくらい顔が真っ赤
なんて 、…
ティッシュで俺についたジャムを取って
− ちゅ −
口に優しくキスをしてきた
すにょあの肩を押して逃げようとするけど
腰を掴まれて逃げられない
肩をどん 、って叩いて
弱った隙に腕の中から抜け出す
すにょあと居ると
毎日慌ただしくて 、騒がしくて
でもそれが楽しかった
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− ぼふっ −
ベッドにダイブして
さっきの事を思い出す
ベッドの上でジタバタして
恥ずかしいのを紛らわす
こんなの日常茶飯事だったのに
何で今日はこんなに照れてしまうのか
あいつの居ない空間で1人になると
嫌でも思い出す
そんな事思い出さないうちに
布団にくるまって寝ようとした
− ガチャ −
起きてるなんて言ったら
また面倒臭くなるだろうし
寝てるフリをする
そう呟きながら
布団の中にそっと入ってくる
俺が寝ていると思って
話し始めるすにょあ
すにょあの本音を聞いて
胸がぎゅっとなった
俺の後ろで寝息を立て始めるすにょあ
俺は何だか眠れなかった
俺が泣いたら慰めてくれていた彼奴の
本音を聞いたら
余りにも自分が弱い人間に思えて
嫌になった
一番辛い思いするのはすにょあ なのに
俺は一体 、
目を開けないまま頼んでくる
こんな時くらいは
甘えさせてやっても良いかな
− ぎゅ −
何回も耳元で言ってくるから
恥ずかしくて
また寝息を立て始めるすにょあ
ハムスターみたいな頬が可愛くて
− ちゅっ −
頬にぽっぽして
俺も2回目の眠りについた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。