私が引いた人は_
のあさんがぴょんぴょんと嬉しそうにとびはねる。
みんなに見送られて、二人でルンルンと家を出る。
起きてすぐ外出した私は、昼食を取っていなかった事に気が付いた。
私達は小さな喫茶店で軽食をとり、街方面へ歩いて行った。
そう言ってのあさんが可愛く装飾されたお店を指さした。
そう言って二人でお店に入って行く。
のあさんはフルーツが沢山入ったクレープ。私はカスタードとホイップのみのシンプルなクレープを選んだ。
二人して、クレープを頬張る。
すると、のあさんが小刻みに震え、そっぽを向いて笑いを堪えている。
恥ずかしさのあまり、慌てて口に手を当て、クリームを拭う。
なんで“私だけ”なんだろう…。
そう思いながら、のあさんと並んで街を歩く。
途中途中、ジェラートやチョコレートを食べたり、フラペチーノを飲んだりと、色々なお店を転々とした。
もう帰ろうか。という時、のあさんの足がふと止まった。
そう言ったのあさんの目線の先には、ドーナツ屋さんがあった。
のあさんが食べたいだけでは…と少し思ったけど、みんなにもお土産を買って行ってあげたい。私達はお店に入り、みんなが何が好きか考えていた。
誰が何を好きそう。なんて言うのは、すぐに出てきて、のあさんとも意見が合った。
シェアハウスをして1年も経っていないけど、みんなのことを少し分かるようになってきたな…と、少し嬉しさを感じてしまう。
選んだお土産を、みんなが喜んでくれるといいな…そう思うながら、私はのあさんと家に帰って行った。
✄------キリトリ------✄
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。