ステージ裏の薄暗い喧騒の中、司はいつものように自信満々な笑みを浮かべていた
瑞希が呆れたように溜息をついたその時、ふわりと現れたミクが、一枚のカードを差し出した
先にカードを引いたみのりと遥が、顔を真っ赤にしながらも「恋人繋ぎ」で初々しくステージへ去っていく。
それを見送った後、瑞希と司が恐る恐る引いたカードに書かれていたのは、予想だにしない過激な指示だった。
『5秒間見つめ合い、頬にキスをする』
戸惑い、一歩後ずさりする瑞希。しかし、司は違った。
彼は一瞬目を見開いたものの、すぐに覚悟を決めたような真剣な眼差しに変わる。
司は力強く、けれど優しく瑞希の肩を掴んだ
瑞希の言葉を遮るように、司の顔が至近距離まで近づく。 呼吸さえ触れ合いそうな距離。秒読みが始まった
5……4……3……2……1……
瑞希が思わず目を閉じた瞬間、柔らかい感触が左の頬に触れた
離れた瞬間の司の顔は、先ほどまでの威勢が嘘のように、耳の先まで真っ赤に染まっている。瑞希もまた、熱を持った頬を抑えたまま、言葉を失って立ち尽くしていた
二人の様子を陰から見ていたみのりは、「きゃーっ!」と大興奮で身をよじらせている。この「罰ゲーム」をきっかけに、二人の距離は、本人たちの予想を遥かに超えるスピードで加速していくことになる。
司の提案で、みのり、遥、奏、志保を迎えた6人のカレー作りがスタート。 奏の包丁捌きを志保がハラハラ見守り、みのりと遥が準備を進める中、司と瑞希は並んで作業することに。
昨日の「頬へのキス」が頭をよぎり、手元が狂う瑞希。見かねた司が「オレが手本だ!」と後ろから手を重ねて包丁を握った瞬間、至近距離の体温に二人の顔は一気に沸騰!
「……熱いね」と呟く奏や、大興奮のみのりに囲まれ、カレーのスパイスより刺激的な共同作業が加速していく






![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。