それはごもっともで、でも少しだけ意地悪な気もする。
これが“試されてる”ということなら──応えなきゃ。
あなたは、静かに呼吸を整える。
木刀を構え、重心を下ろしたその姿に、時透はふと目を細めた。
次の瞬間、氷柱のような白閃が庭を駆け抜ける。
カンッッ!!!
すっ、と息を呑んだ時透がぽつりと呟く。
当然のように攻撃を止められて、あなたの口元がかすかに引き攣った。
一見やりあえているように見えても、木刀同士が何度か打ち合うにつれて、
私はあっという間に押されていってしまう。
タンッと軽く後ろに跳ねて、間合いを保った。
…はずなのに。
気づけば時透さんの顔が目の前にある。
瞬間、首筋にゾッとするほどの寒気が走った。
驚いて視線を向ければ、時透さんの刀がピタリと当てられていた。
あっけなく一本取られて放心状態の私に、時透さんが口を開く。
ぽつりと呟かれた言葉に、私は思わず言葉を発しかけて──閉じる。
頭は大混乱で、でも、笑顔で返すことしかできない。
時透さんはそれに反応もせず、木刀を下ろした。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。