第16話

第十六話「膝の上の授業」
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2025/09/23 07:06 更新
第十六話「膝の上の授業」

昼休み明け。まだざわつく教室。
孝宏は何を思ったか、すっと浩史の席に腰を下ろした。

浩史:「……おい孝宏、そこ俺の席だろ。」
孝宏:「いいじゃん。たまには俺がここ座ってやるよ。」

そう言って余裕の笑みを浮かべる孝宏。
浩史は呆れたようにため息をついたが、次の瞬間、孝宏がぽんぽんと自分の太ももを叩いた。

孝宏:「ほら、来いよ。」
浩史:「はぁ!?授業始まんだぞ!」
孝宏:「いいから。俺の弟だろ?遠慮すんな。」

周囲のクラスメイトが「え、何する気?」「また始まったぞ…」とざわつく中、浩史は観念したように孝宏の膝の上に腰を下ろした。

——そのまま授業が始まる。

先生:「……えーと、では教科書の〇ページを開いて——」

教壇の先生がふと視線を巡らせ、目を疑った。
そこには堂々と浩史を膝に抱えたまま、黒板を見つめる孝宏の姿。

先生:「……ちょっと待て、孝宏。お前、何をやってるんだ。」
孝宏:「授業、受けてます。」
先生:「浩史は!?」
浩史:「……受けてます。」

クラス中が笑いを堪えきれず、プッと吹き出す声があちこちから漏れた。

クラスメイト:「(小声で)やべぇ、孝宏たち最強すぎんだろ……」
クラスメイト:「あれは恥ずかしすぎる……」

孝宏は全く動じない。
腕を浩史の腰に回し、落ちないようにしっかり支えてやりながら、堂々と板書を写していく。

孝宏:「おい、浩史。ちゃんとノート取れよ。」
浩史:「……分かってるよ。」

けれど頬がじんわり赤い。
兄の体温と視線の多さに、妙に心臓が落ち着かない。

先生:「……もう好きにしろ。ただし、静かに授業は聞け!」

諦めたように chalk を鳴らす先生。
教室のあちこちから笑いが漏れたまま、授業は続いていった。

——その日、双子の兄弟はまたしてもクラスの話題を独占することになった。


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✨第十六話 完✨

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