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第7話

あの時
30
2022/05/24 12:57
僕は綾を殺したんだ

あの日、あの時僕が気付いていれば
唐揚げを作っていた時、綾が声を上げた
古住 綾
古住 綾
ッ!
ズキンッ
冬搗 鈴
冬搗 鈴
どうした?
古住 綾
古住 綾
いや、最近ひどい頭痛が多くてさ、、
なんか、頭をバットで殴られたみたいな
冬搗 鈴
冬搗 鈴
え、大丈夫なの?
今日はやめといた方が、
古住 綾
古住 綾
良いの良いの
大丈夫
綾は再び笑顔になると、作業を再開する
冬搗 鈴
冬搗 鈴
そっか、
でも、明日あたり病院とか行きなよ?
古住 綾
古住 綾
うん
ズキンッ ズキンッ

僕は綾の苦しげな顔を見ていなかった
冬搗 鈴
冬搗 鈴
あ、卵ない、
古住 綾
古住 綾
えー、じゃあ買いに行かなきゃ
冬搗 鈴
冬搗 鈴
だね、
んー、綾行ってきてくれるとありがたい
僕、手、油だらけだから
ズキンッ ズキンッ ズキンッ
古住 綾
古住 綾
っ、良いよ!
綾は少し元気のない笑顔で出ていった
古住 綾
古住 綾
ふう、痛た、
ズキンッ ズキンッ
数分すると綾が帰ってきた
古住 綾
古住 綾
ただいま〜
冬搗 鈴
冬搗 鈴
おかえり〜
古住 綾
古住 綾
さあ、あとちょっと!
頑張ろう!
今、思えば綾は、綾自身にその言葉を言っていたのかもしれない
完成して、家を出た僕

カウンターに残されたエプロン
古住 綾
古住 綾
あ、忘れ物
ズキンッ ズキンッズキンッ
古住 綾
古住 綾
スズ〜 忘れもn
ズキンッ!
古住 綾
古住 綾
ドサッ
そうして僕は気付かず去ってしまった

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