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〜???〜
キーンコーンカーンコーン
HRの終了時刻を知らせるチャイムがなる。
日直の挨拶が終わると同時に、教室が一気にざわざわとしだす。
プール行こうぜ、だとか、隣の市にめっちゃおしゃれなカフェができたんだよ〜!だとか。
みんな、友達や親友とともに予定を立てている。
そう、今日は一学期最終日。明日からは夏休みなのだ。
数分後、諸々の支度を終わらせたオレは、ようやく静まった教室を後にした。
コツコツと靴の音を鳴らしながら、オレはいつもと変わらないような道をまた独りで歩く。
咲希のお見舞いに行くためにクラスメイトからの遊びを断っていたら、クラスメイトに「またそれかよ、嫌なら直接言えばいいのに、」と呆れられてしまい、それから遊びに誘われることはなくなってしまった。
当然、夏休みの予定も何も無い。
咲希の見舞いの話は本当なのだが、もうこうなってしまってはどうしようもないため、はぁ、と独り溜息をつくことしか出来なかった。
ドアを開け、しんと静まった暗い家へ入る。
両親はまだ仕事中だし、先も入院しているため家には誰もいない。
今日こそは、一緒に夕ご飯を食べれるかな。
そんな淡い期待を抱きながら、健気に親の帰りを待っていた。
がちゃっ がたがたっ、
宿題をして待っていると玄関が開く音がしたので、急いでそこへ向かう。
がちゃんっ
返事をする暇もないまま、母さんは家を出ていった。
咲希のことは大好きだし、大切な家族だから勿論そっちを優先してほしかった。
でも、やっぱり少し寂しかった。
誰も悪くない。
だからこそ、この寂しさと誰かに心配してもらえる、構ってもらえる他に人たちに対してのやりようのない羨ましさだけが、オレの中に溜まっていった。
今日は5回も授業で発表したんだよ、国語のテストで初めて満点を取れたんだよ、言いたいことはたくさんあった。
でも、その時は来なかった。
もう何度目かはわからない。
今日も誰もいない家で、寂しく夜ご飯を食べる。
少し冷えた、でも母さんの優しさがしっかりと伝わってくる味。
余計に悲しくなる。
オレにも咲希にも、平等に愛を分け与えてくれているからこそ、こんな感情を持っているなんて申し訳なくなる。
誰かに見てほしい、なんて。
見てくれている人はもういるのに、オレより辛い人はもっといるのに。
なのに、涙が溢れてくる、一度出したら止まらなくなる。
少しでも考えてしまえば妄想が止まらなくて。
広い部屋にオレの鳴咽だけが響く。
慰めてくれる人はいない。
ご飯が飲み込めなくなって、オレはその場で意識を失った。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!