文化祭三日前、うちのクラスは全確認を済ますことが出来た。
カフェとかいうとんでもなく大変な出し物を、
この短期間で仕上げるのは本当に疲れた。
すんごく面倒だったけど、その分楽しかった。
と言うか何だかんだ準備している時が一番楽しい気がする。
俺の言葉と共に、クラスの皆が伸びをして、
喜びを分かち合っていた。
料理班の班長の中嶋が、
在庫数をまとめたプリントを差し出してくる。
中嶋は普通に料理が上手く、
神坂も手慣れた様子だった。
俺も味見したパンケーキも、それはそれは美味しくて。
中嶋と話せる時間が無くて、忘れきっていた。
今なら周りも聞いてないだろうし。
と、笑いながらグーパンチで肩を叩いてくる。
痛くないので、最早猫がじゃれてるようなもん。
あーあぁ、神坂驚きすぎて名乗っちゃったよ。
てか驚きすぎよね中嶋さんよ。
ほんと女子って反応が大きいよね。
って口に出したらクラスの女子全員に殴られそうだけどさ。
中嶋の方から、俺の方に向き直り、
人形みたいにピシッと姿勢を正す神坂。
それでも俺はいつも通りの猫背である。
大丈夫、思ったより緊張はしていない。
きっと次にまた緊張をするから。
これで断られたら元も子もないけれどね。
そう言うと、頑張ってこらえているのだろうが、
溢れる笑顔を見せてくれる。
それにつられて、俺も笑う。
もうこうなったら、文化祭の後に言おう。
まるで夏音の真似事みたいだけれど。
もちろん本気に決まっている。
俺はいつも気づくまでが遅いけれど、
気づけばすぐに行動に移してるつもりだ。
今回も同じだ。
手遅れになんかはしてたまるか。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。