何だかんだすぐで終わった文化祭。
俺にとっては、一生忘れない文化祭になった訳だが。
隣に居た神坂が話し掛けてくれる。
俺が動揺していた理由は、
アイツからの連絡だ。
今すぐ帰って夏音の話を聞いてやりたくても、
俺にはもう神坂が居る。
女子というのは繊細で複雑だから、
こういう時にどう説明するのが正解か分からない。
荷物を持って走る。送られてきたことは、
『いつもの公園で話がしたい』って、一言。
珍しくアイツは、絵文字とか顔文字を使ってなかった。
ふざけてない雰囲気なのは分かる。
つまり結果が良くなかったのだろう。
それでも、昔から一緒に居る仲としては心配で。
俺にしか話せないことがある、
俺が聞いてあげられることがある。
自意識過剰かもしれないけれど、
その自信は何となく昔からあるつもりだ。
思いもしない夏音の様子と、ヘラヘラとした顔に、
動揺せざるを得ない。
急に、ふんばる様な顔をして、大きな声を出す。
──────今日二度目の驚き。
頭が殴られたように頭痛がして、
言葉では言い表せられないこの辛さ。
夏音の顔は、まるで目の前で誰かが倒れた瞬間の様な、
分かっていない顔をしていた。
上擦って、辛そうで、今にも泣き出しそうな声。
聞いているだけでこちらが辛い。
なんだよ、じゃあ、俺は三角関係みたいなもんで、
二人から好かれていたのに、
俺は、何も、気付かなくて、気付けなかった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!