確かに営業中のクラスで騒ぎ立てるのも迷惑だ。
なら神坂を待とうと廊下に出ようとしたところ。
マントの裾をぎゅっと掴まれる。
危ない、〝尊い〟と声に出すところであった。
思わず俺と中嶋を二度見する神坂。
そして照れ隠しをするため、顔を見ず歩き出す。
といいつつも、出来るだけ間を空けないように。
神坂は俺よりも小さいし、はぐれるかもしれない。
それだけは避けたい、まぁ携帯持ってるけど。
それから、お昼を食べるための屋台や、
カフェなど、出来るだけ静かな所を選んだ。
何よりも楽しんで貰う必要があるし、
一番気にしていたことだ。
天使過ぎる笑顔を頂いたので、もう十分。
誘った時点で、エスコートなんて当然だ。
たまに見る神坂の気迫は凄いものだ。
思わず一歩引き下がる程。
口が滑ったのか、口を塞ぐ神坂。
俺が君にとっての王子様なら、
俺の真っ白でペラッペラな人生に、
色を塗って、強くしてくれた神坂は、
俺にとって神坂は『魔法使い』か何かだろう。
深く息を吸う。
これは夏音のより酷いかもしれない。
それでも、だ。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!