心の声・・・幻太郎
乱数は今まで見たことないような至極真面目な顔をして話をした。小生のこと、そして小生と乱数の関係を。
乱「………というわけで、お前は今人間になっている…のかもしれない。」
幻「……そう…ですか。」
幻「一つ、お聞きしてもよろしいですか?」
乱「ああ、今更お前に隠すことなんてない。今の時点で勘づかれるなら遅かれ早かれ全て見抜かれるさ。」
幻「そうですね。」
乱「んで?何を聞きたい?」
幻「はい、その…乱数はどうして小生を創り出してくれたのですか?」
乱「…!」
乱「…それは…。中王区が関わっている。俺も実はお前と同じクローンなんだ。今世界中には俺が軽く1000人はいる。そのうちの大半はまだ世の中に出せない状態だけどな。」
乱「そして中王区の狙いはこの世界をクローンだらけにし、自分らに忠実な人間を創りだすことだ。」
幻「…なるほど…。」
幻「それじゃあ、兄さんがあんな状態になっているのは…。」
乱「ああ、それはな…。あいつらがお前の兄のような優秀な知能を持つ人間のクローンを創ろうとして失敗してしまったんだ。」
幻「そう…ですか。」
兄さんのことは許せない…。でも、乱数にはきっと乱数なりの理由がある。それに兄さんを植物状態にしたのは乱数とは限らないし、それに乱数はもう中王区との縁を切っている。乱数を責め立てるのはやめておこう。
乱「さて、これからお前はどうしたい?」
幻「どう…とは…?」
乱「もうここまで来たらお前の好きに生きればいい。このまま人間として俺と縁を切り自由に生きていくのか、それとも今まで通り俺の所有物として俺の下で生きていくのか。決めるのはお前だ。」
幻「……はて…?何を言っているんですか?」
乱「は?いや、言葉通りの意味だけど…?」
幻「どうして小生が自由に生きていくのに、乱数と縁を切る必要があるのです?」
乱「どうしてって…普通こんなやつとは金輪際関わりたくないと思わないか?」
幻「小生はそうは思いません。どんなことがあっても、我々は最強最高のPOSSEですよ。勿論帝統もです。」
乱「げんた…ろ…」
幻「今までのように一緒に生きていきましょう。今更ですが私をチームメイトにしてくれて本当にありがとうございます。」
そう小生が微笑むと、乱数は今まで溜めていたものを全て吐き出すようにただ泣いていた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。