2026年7月17日。
作った料理の話をする柑那さんに、いつもの客観的な玲羅が返事をする。
夢翔さんは、机に肘をついて言った。
……放課後、なぜか私の席に数人が集まって会話をしていた。
今日は午後放課だから、弁当を持ってきている人が残っているみたいだ。
ここ数日こんなことなかったのに……。
え?と心の中で繰り返す。
まるでここ数日のことはなかったことかというように、自然と話を振られた。
ともりが気まずいと言っていたから、あまり話題に出さないほうがいいんだろう。
柑那さんたちも、気を使ってくれているんだろうか。
疑問に思ってともりの方を見ると、彼女はその目線に気付いたようだった。
ともりは、少し目を泳がせた後こちらに軽くウインクをした。
思えば、今日で一学期も終わりだ。
夏休みに入ったら、人と関わること減るだろうなー………。
寂しい……な。
結局、明日ともりの家に集まることになったらしい。
柑那さんは、ここにいない人達に連絡をしてくれた。
どこか、ここ最近孤独を強く感じるようになった。
予定がなかった夏休みを、みんなと過ごせるっていうのは嬉しい限りだ。
長い夏休みが、少しでも楽しくなるといいんだけど。
柑那 side
交差点で、ともりさんは青信号の方へ手を振った。
そうか。瑞葉さんの家はこの先だったか。
同じように手を振って、道の先に視線を移して微笑む。
こちらは信号待ちなので、軽く連絡でも確認する。
瑞葉さんのこと。
僕達は今日急遽ともりさんにメッセージで事情を聞いた。
先程教室で話していた時、何もわからなかった。感じなかった。
はっきり言って、それだけですぐ対応できたことは自分でもすごいと思う。
夢翔の言っていることは真っ当だ。このまま誤魔化し続けていても、瑞葉さんはずっと…
信号が青になったのを確認して、四人で歩き出す。
ともりさんは、横断歩道を渡った後にいつもとは違う道を選んで言った。
こちらに背を向けたまま、あまり通らない道を早足で歩く。
ともりさんは、空を見上げていた。いや、上を向いていた。
この道は…………。
ああ……………そうか。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!