2026年7月16日。
学校に行かなくてもいい。昨日、そう思ってしまった。
もうすぐ夏休みに入るし、行かずに乗り切ろうかとも思った。
でも、家にも居れるような雰囲気じゃなかったから、逃げるように学校に来た。
机に突っ伏しながら教室を眺めて見ても、なんだか自分だけ浮いているみたいだ。
話かけられた………?
勘違いかと思った。でも、見上げると確かに、ともりは私と目を合わせていた。
高校でできた友達だ。もう、話しかけてくれる人なんていないかもと思っていたのに。
急に、涙が込み上げてきた。
たった2日。それだけでも、完全な孤独の中過ごすのは苦しかった。
人前で、友達の前で涙を流したことなどなかったが、堪えることもできず彼女に泣きついた。
ともりは辺りを見渡すと、気を遣ってくれたのかそう提案した。
屋上へ続く外階段に座り、優しく声をかけてくれる彼女に向き直した。
彼女は、少し意外そうな顔をして、黙り込んでしまった。
そして悩むような素振りを見せたあと、言葉を一つ一つ選ぶようにゆっくりと話した。
一昨日といえば、私が朝寝坊をして遅刻をした日のことだ。
三日前ともなるとよく覚えていないが、最近は特別な外出もなかったから、いつも通りの日々を過ごしていたのだと思う。
ともりは、こちらに向き直ると真面目な顔をして言った。
しばらく悩んで、こちらには目を合わせずに言った。
彼女は誤魔化すように笑うと、こちらに手を差し伸べた。
まだ、理由はわからないが、長い孤独が終わったような気がした。
差し伸べられた手を握る勇気は、まだなかったけれど。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。