俺が買い物から帰ってくると、おらふくんがソファーで寝ていた。
それだけなら良いのだが...
俺が脱ぎ捨てたパジャマを着て寝ているのだ。
なぜ、なぜそうなった。
好きな人に自分のパジャマを着られるとどれだけ恥ずかしいか。
変な匂いしてないかとか、いつもより気にしてしまう。
それなら、おらふくんにその恥ずかしさを分からせようと思い、
おらふくんのパジャマを手に取る。
好きな人が、という観点を抜けば。
同じ状況を作れるはずだ。
バサバサッ
おらふくんの匂いが全体に広がっていく。
俺はおらふくんの着ている俺のパジャマを指さす。
すると、おらふくんは顔を赤らめて、
少しからかってみると、おらふくんの顔が更に赤くなった。
おらふくんの言い分はというと、
正直に言うと、今日のおらふくんは...
いつもよりさらに可愛く感じてしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!