呼吸を使う体力は残っていない。
でもそんなことは関係ない。
鬼舞辻が燃え尽きるまで斬り続ける。
彼の刃が奴に届く。
でも、それだけだ。
体力の限界をゆうに超えている私たちに、もう奴を止めるだけの力は残っていない。
その時、日の光を見つけたかのように、鬼舞辻が広範囲の攻撃を仕掛けてきた。
伊黒さんや不死川さん、私や無一郎もその攻撃で飛ばされる。
ろくに動かない体にむち打ち、炭治郎くんに加勢しに行く。
その時、炭治郎くんの手に、誰かの手が重ねられた
いける、いける!
日が昇ってきた。
止め続ければ、勝てる。
突如として、奴の体が膨張し始めた。
まるで、赤子のように。
炭治郎くんの体が、呑み込まれる。
のみならず、奴は地面に潜ろうとし始める。
そんな叫びを聞き、生き残っている隊士や隠がこちらに来る。
でも、足りない。
止めきれない。
奴の頚に、鎖がかかる。
紛れもない、悲鳴嶼さんの鎖だ。
鎖で止められてなお、抵抗する奴に、不死川さんの刃が振り下ろされる。
畳み掛けるように、車が突っ込む。
私が叫び、隠の人が車から抜け出すと同時に、
奴の腕が振り下ろされ、車が潰される。
御館様の指示を聞いていたのか、建物に登っていた隊士たちが、沢山の家具を落とす。
奴が少しずつ、少しずつ燃えていく。
まだ足りない。
どうすれば、どうすれば奴を止められる?
悲鳴嶼さんたちの妨害すら押し切り、奴が日陰に入ろうとした時だった。
奴の動きが、止まった。
同時に、上を向き、
そして、燃え尽きた。
今、生き残った人たちが叫ぶ。
たくさんの犠牲を前に、勝った。鬼舞辻に。
足に力が入らなくなり、その場に座り込む。
隣を見ると、同じように座り込んだ無一郎がいた。
そう言い、その場に倒れ込む。
このままずっと寝てしまいたい。
静かに答えながら、周りを見る。
ここから少し離れたところには、いつの間にか甘露寺さんの所まで移動していた伊黒さんが、
甘露寺さんを抱き抱えている。
二人とも重症だ。
多分もう間に合わない。
無一郎の呟きを聞き、そちらにも目を向ける。
先程まで、鎖を引いていた体は、
力無く、壁にもたれかかっていた。
涙腺が緩み、涙がぼろぼろと溢れだす。
傷に染みて痛いのに、全然止まってくれない。
横を見ると、彼も泣いていた。
何年ぶりだろう。
昔はよく泣いていたはずなのに。
いつの間にあんなに強くなっていて。
そう言い、普段使わない根性で立ち上がった時だった。
最近投稿してなかったので二話出しちゃいました (
これが完結したら現パロの鬼滅とか書きたいなって


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!