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第1話

Prologue☁
576
2024/01/08 21:36



【7月6日】

















きょうもいつもの公園で暇つぶし中。









駄菓子屋で買ったお菓子を食べながら、



街を行き交う人々をぼーっと眺める。










時計を確認すると、4時15分。





もう帰ろうかな。ずっと外にいるのも嫌だし

















あー…駄菓子買いすぎたかも







まぁいいや、明日食べよう













座っていたベンチから立ち上がろうとした時、




『ねぇねぇ、それお菓子?』








『ちょっとちょうだい!』






『あ、ずるい!僕も!』


公園で遊んでいた2人の子供たちが、お菓子を見て駆け寄ってきた。







……まいったな、小さい子の相手は苦手なんだけど。










私がおどおどしていると、
黛 灰
こら、お姉さん困ってるでしょ。

見たところ私より少し年上の男の人が来た。





多分、お兄さんだろう。




あなた
大丈夫です!余ってたので…




あなた
……、いる?
あなた
アレルギーとかなければ



『いいの?』


『ほしいほしい!』


黛 灰
すみません、ありがとうございます
黛 灰
ほら、ありがとうは?

『ありがとーございます!』


わぁ、ちゃんとお兄さんしてる



凄い


あなた
じゃあ、私帰るので、また。
あなた
またね。お菓子ゆっくり食べなね



子供たちとお兄さんに別れを告げて、公園を出た。





話しといてまだ残るのもなんか気まずいし。














あのお兄さんはこの公園でよく見る。

いつも、小さな子供と遊んでいる。







何歳くらいだろうか。









…………10代後半とかかな…







結構若そうだったけど







兄弟で結構年の差離れてるんだ…




いいなぁ、お兄さんいるの。







一緒に遊んでくれて、困っているときには手を差し伸べてくれる、







そんなお兄さんがほしい、













小さい頃からそう思っている。








勿論、今も。









でも私は一人っ子だし、できるとしても弟か妹。



















叶わない夢だけど、いつかお兄ちゃんに甘えてみたいなぁ、とか、今でも思ったりする







まぁ、絶対にそれが実現することはないんだけど。





いつまでも夢を見ないで、と自分を叱りながら速歩きで家に帰る。







帰ったら勉強しなさいって怒られるだろうな…









友達と勉強してくるって行ってまたどっか出かけようかな











うん、いい作戦。






…………






またあのお兄さんと話してみたいな…。













あなたの名字あなたの下の名前。





これはあなたと孤児院のお兄さんの、ある一夏の物語。





























新作です





学校で窓の外眺めてたら急に思いつきました






結末なんも考えてないんですけどできる限りこっちも更新していきます!

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