あなたSide
数日後
ハクナツメが退官した
ほかの皆さんは驚きと動揺が隠せてない中
僕一人だけが表情を変えず突っ立っていた
以前、多分ナツメさんが警察を辞める前
僕に話してくれた事を聞いていたため
他のみんなよりは正気を保てていたし
どこか諦めもついていた
そんな皆を警察署に置いていき
僕は1人でパトロールを始めた
きっとあのまま警察署に残っていれば
少しも動揺していない僕を尋問し出すと思ったからだ
外は昨日の暖かく優しい雰囲気とはちがくて
冷たくて天気さえも別れを惜しんでいるような
そんな感じがした
ズキン…
ズキン…
仮にもあの人は上官であり信頼していた先輩だ
別れを分かっていてもやっぱり辛い
僕はどんどん溢れ出てくる涙を堪えながら
砂浜へと向かった。
今日ならきっと誰も来ない
そう思ったからだ
砂浜に着くと僕は近くにあったベンチに座り
零れそうな涙を抑えながらただ水平線を眺めていた
そんな中
そう声を掛けられ振り返ると
私を警察へと導いてくれた恩人が立っていた
キーモットさんの声を聞いて安心したのか
堪えていた涙が溢れ出てきてしまった
キーモットさんは僕に寄り添う形でそばに居てくれた
僕は子供のように泣き喚いた
泣いて
自分の思いを叫んで
嗚咽して
また泣くを繰り返した
キーモットはあなたが落ち着いたことを確認し
静かに話しかけた
淡々と話していくキーモットさんの顔は
どこか寂しげな顔をしていた
そんな先輩を見て私は
彼の顔は浮かない顔から代わり
彼らしい笑顔を見せた











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。