第13話

誘う?誘わない?
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2021/01/12 09:00 更新


昨日のビラの内容が頭に焼き付いて離れない。


出来ることなら、高瀬先生と一度だけでいいからデートっぽいことはしてみたい。

でも、そんなの無理だし、誘えないし。


それに、秘密の恋だから軽々しくみんなに相談できない。


それは分かっていても、心のどこかで一緒に過ごしたいという気持ちがある。


「高瀬先生〜!彼女いるんでしたっけ?」

「いませんよ。」

「え〜!高瀬先生と一緒にクリスマス過ごしたい〜!」

そんな会話が耳に飛び込んでくる。

聞き捨てならない。


「し、栞里?」

私がどんな顔をしていたのか、自分では分からないが、梨乃の反応からものすごい目力だったのではないかと考えられる。


「俺は教育実習生。みんなの彼氏になるために来たんじゃありません。」

そう言ってクラスの女子たちに笑いかける高瀬先生。


断ってくれたのは嬉しかったけど、自分が誘う前に答えを聞いたようで少し悔しい上に悲しい。


「栞里……誘ってみたら?」

梨乃はそう言った。


「えっ……?」


「栞里はあの子たちよりも関わってるでしょ?もうあと学校で会えるのも二日だよ?イブの日くらい、誘ってきたら?」

「でも……」

「もし断られたとしても、私が栞里を一人にはしないから大丈夫。」


梨乃はそう言って、私の背中を押してくれた。


゙私が栞里を一人にはしないから大丈夫 ゙

クラスの男子よりもカッコイイ梨乃に救われる。



「私、放課後誘ってみるね。頑張る。」

「うん。」


高瀬先生と秘密の時間を過ごせますように、と願う。


勇気を振り絞らなきゃ、恋愛は始まらないんだから。

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