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第6話

縛られている推しが見たかった
626
2021/07/16 11:22 更新

薄暗い部屋に閉じ込められて、もう何時間たっただろう。
悪い人
おいおい、よく見ればずいぶんと美人じゃねえか
悪い人の部下
こいつは高く売れるんじゃねえか?
るぅと
……

いつもなら、こんなやつら秒で地獄行きにしてやるところだ。

でも、5人の代わりに捕まっているいまは、何もできない。

るぅと
……好きにすればいい
るぅと
今に見てろよ

僕が捕まったことによって、この組織に穴が開く。

勝手な判断だが、言えばみんなに止められただろうから、裏切ったふりをした。

これでいい。

僕にできることを、最後までやったと、胸を張れる。

たとえ最愛の仲間たちに憎まれようとも。
るぅと
(…みんなならきっとやってくれる)
るぅと
すとぷりをなめると痛い目見ますよ
るぅと
せいぜい、震えながら待っていることですね

そう言って、不敵な笑みを浮かべた。。
悪い人
っこいつ!

頭に衝撃が走る。

何度も、何度も。

男は倒れた僕を蹴り上げて、醜い顔をゆがめて何か怒鳴っている。



るぅと
気の短い奴は、女にもてませんよ?
悪い人の部下
な、なんだこいつきもちわりい
なんでこんな時に笑ってやがるんだ…

そのとき、唐突に高い音がして、目の前の男の顔が破裂した。

血しぶきの中で、とっさに、撃ち抜かれたのだと理解した。

るぅと
、え…
悪い人
ギャっ!
なっ、なんだ!?
るぅと
まさか…
ななもり
ジェルくん、お見事!
悪い人
な、なんだ、だれだっ!?
悪い人
紫の髪に紫の瞳…
お前はまさか、すとぷりの…
ななもり
おやおや、俺をご存じだとは、光栄だ
ななもり
お察しの通り、俺はななもり。だ
ななもり
それがどういうことだか、わかるよな?
悪い人
あ?なんだ?何が言いたい!?
ななもり
これだから頭の悪い奴は…
ななもり
常識だぜ?

やれやれと首を振ったなーくんは、次の瞬間一気に男と距離を詰めた。

目が笑ってない笑顔で、ささやいた。

ななもり
お前は俺の仲間を傷つけた
ななもり
そして俺に会ったってことは
ななもり
お前に残された選択肢は「死」のみだ

血しぶきが上がる。

部屋はどこもかしこも血まみれだ。

床にあふれた真っ赤な液体が、ついと流れてきて僕のシャツを濡らした。
ななもり
…るぅとくん
るぅと
……
るぅと
まいったな…
るぅと
なーくんは全部お見通しですね
ななもり
当たり前だ
ななもり
誓いを果たすその日まで、誰一人として欠けさせない

みじめに転がった僕の前に、なーくんの黒い高級な革靴が近づいてきた。

ナイフが振り下ろされて、ぱらりと縛り付けていたロープがほどける。

なーくんは、冷たい、けれど安心感のある手で僕の頭をそっと撫でた。
ななもり
るぅとくんは自分の価値をわかってる?
るぅと
もちろんわかってますよ
るぅと
僕に価値がないなんて思ってたら、
みんなの代わりに捕まろうなんて
思いませんよ
るぅと
僕はパソコンの天才で、
冷静沈着で
判断力に長けた
最強の16歳ですよ
ななもり
…聞くまでもなかったかw
ななもり
…(まあ、本当はもっとすごい価値があるんだけどね…)
ななもり
帰ったら覚悟しておけよ?
ななもり
俺がるぅとくんの企みに気づいてみんなに話した時、
すごかったからな
ななもり
ころちゃんはガチギレ
ななもり
さとみくんはるぅとくんのプリンやけ食い
ななもり
莉犬君はギャン泣き
ななもり
ジェルくんに至っては無言で
包丁研いでた
るぅと
……
ななもり
さ、帰るよ


――――





莉犬
るぅどぐぅぅん~~

莉犬がしゃくりあげながら抱きついてくる。(苦しい)
ころん
マジでさあ!ほんとにさあ!何してんの!?

ころちゃんはがみがみと怒っている。(うるさい)
さとみ
……これがお前のしたことの代償だ!

さとみくんが空になったプリンカップを投げつけてくる。(悲しい)
ジェル
おらおらさっさと食え!

ジェルくんが千切りキャベツを口に押し込んでくる。(せめて塩が欲しい)
ななもり
っていうかなんなの?
この大量の千切りキャベツ
さとみ
悪い、夕飯のために切ったんだけど、やりすぎた…
やけに包丁の切れ味が良くてよ
ジェル
あ、それ俺や
ころん
ジェルくんはなんで包丁研いでたの?
ジェル
わからんけど、なんか衝動的に…
るぅと
(怖い)
さとみ
…るぅと
るぅと
…はい
さとみ
お前も、すとぷりのためにやろうとしてくれたことはわかってる
さとみ
だけどもう、二度とこんなことはするなよ
ころん
そうだよ、約束しろよ
莉犬
ぞ~だぞ~だ!
ジェル
せやで、うまくいったって、るぅちゃんなしじゃ
意味ないかんな
るぅと
…はい、約束します

みんなの優しい顔が、涙でぼやける。

そうだ。僕の居場所はここだ。

僕は流れる涙をそのままに、にっこりと笑って見せた。
るぅと
ありがとう



































ジェルくんは、すっごいスナイパーです。

そういうイメージしかないです。

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