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第1話

かごめかごめ、通りゃんせ2
9
2024/06/14 07:36
(なまえ)
あなた
かごめかごめにかわってる…
興味があって、振り向こうと思ったけれど、その時は怖くて振り向けなかった。
次は坂でのこと。

かごめかごめ
かごのなかのとりは


てんじんさまのほそみちじゃ

僕は気になって、
〈振り向いて〉しまった。
(なまえ)
あなた
ぇ…
後ろからはいつくもの手が。


その後のことは覚えていない。
一人で出かけていたから、話す人もいなかった。気がついたら目的の場所へ。
(なまえ)
あなた
幻覚かな。
そう思った。あれから10年。
やっぱり本当にあったことなんだ。
10年間、霊力がある人達に避けられ続けたのだから。
「あの人」に会うまでは。
霊能者
霊能者
やああなたの少年。
(なまえ)
あなた
こんにちはーーさん
「あなた」です。
霊能者
霊能者
「あれ」からどう?
(なまえ)
あなた
(あれって、何年前のことを言っているんだこの人は)
霊能者
霊能者
[あれって何年前のことを言っているんだ]って思ったんでしょ。
(なまえ)
あなた
……
霊能者
霊能者
あなたの少年はわかりやすいなー
霊能者
霊能者
同時にそこにいる「それ」も
ーーさんは僕の後ろを指した。
僕には見えないが「後ろの正面」には
何かがいるらしい。
霊能者
霊能者
どうも合わなくてね。
成仏してくれないんだ。
ーーさんは霊能者だ。霊と会話をして、
成仏してもらうらしい。
(なまえ)
あなた
まあずっと霊力ある人に
避けられてますから。
僕に影響があるわけでもないし。
あとあなたです。あなた「の」少年
じゃないです。
霊能者
霊能者
そのことなんだけど、
ーーさんは腕を組み直した。
大切なことを話すときのように。
霊能者
霊能者
急なんだけど、
あなたの少年には今通りゃんせの霊がついているんだ。
通りゃんせの霊は変なことをしないからね。害はないんだ。
僕は頷いた
霊能者
霊能者
でも最近、かごめかごめの霊も遊びに来るんだ。かごめかごめの霊は、
その人に取り憑いてしまうんだ。
(なまえ)
あなた
取り憑かれたらどうなるんですか?
霊能者
霊能者
わかんない。見たことないから。
まあちょっと見てみたいけど。
さくっとわかんないって言った。
この人ちょっと怖いな。
そんなことより、取り憑かれる?
嫌すぎる。


僕はあなたの少年の「の」が要らないことも忘れて、固まってしまった。

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