正直な話、俺は「天才」と呼ばれる部類に生まれたと思う。
別に、自己主張が激しいわけでも、自画自賛というわけでもない。
ただ周りよりも理解力が高く、応用力があるといち早く気づいただけだ。
周りは俺よりも考えるのが遅く、もどかしく
答えをすぐに導き出してしまう俺からしたら、つまらなくて面倒な生き物だ。
それでも俺は「普通」が欲しい。
普通に生きて、普通に悩むような、普通になりたい。
いや、悲しいけど言い方を変えよう。
友達が欲しい。
今日も朝目覚めたら朝ごはんを食べて学校に行く。
正直学校は苦手だ。
いじめられているわけでもないけど…。
幼馴染のどぬくが、家まで迎えに来てくれる。
一人でも行けるけど、どぬくが「やだ!俺の生きがいを奪うの!?」と言ってくるので
まあ言われたとおりにしている。
俺たちの学校は、中高一貫校だ。
受験をして入るタイプの学校だが、受験のレベルは俺からしたらだいぶ低かった。
受検用ドリルと参考書を読み漁って一通り頭に入れれば
大体は解ける仕様になっていた。
どぬくは泣きながら「無理。もふくんタスケテ…」と
五回くらい息絶えていたが。
詳しいことは…まあ、見ればわかる。
ー学校にてー
もふは顔色を一段悪くしながら教室まで歩く。
もうやだ、ほんとにやめてほしい。
クラスに入るなり両手で顔を覆いぽつりと呟くもふに
どぬくは憐みの顔を向けた。
クラスメイトのうりが話しかけてくる。
人気者である彼に、俺の気持ちが分かるのかは、正直疑問だ。
小さなころから、周りから特別扱いされてきた。
俺はそれが嫌だった。
もふは大いに傷ついた。
しかし、ここで一つ問題が起こる。
実を言ってしまうと、どぬくも友達が少なかった。
もふはしばらく考えた。
いつもなら、どぬくさんと二人で行く。
だって、どぬくさんしか友達がいなかったから。
でも、どぬくさんが迷惑じゃないなら。
うりさんが本当に、俺のことを友達だと思ってくれているのなら―――
どぬくは優しい笑顔をもふに向けて
よし!それじゃあみんなで行こう!と、片手をあげた。
ー


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。