遠くにいる女の子を見つめる。
髪の長さ、背格好、歩き方。
極めつけは制服。
見覚えが、ありすぎた。
ローレンが、ぽつりと呟く。
声が震える。
双子なんていない。
それ以前に、兄弟姉妹なんて。
その時、その女の子が
ふっと振り返った。
息が止まる。
目が合う。
同じ瞳の色、顔も、全部。
理解が追いつかない。
頭が真っ白になる。
その子も、こっちを見ていた。
少しだけ不思議そうな顔で。
でもすぐに、ふっと視線を逸らして
そのまま歩いていった。
声が出ない。
心臓だけが、どくどくとうるさい。
自分でも、意味がわからない。
ただのそっくりさん?
ううん、そんな次元じゃなかった。
本当に私は一人っ子。
記憶を辿っても、兄弟なんていない。
それは、私もわかる。
あれは、似てる……似てるけど。
ほぼ同じだった。
ローレンが、私の肩をぽんっと叩く。
そう言ってハッとする。
自分と顔も背丈も同じ女の子。
そんな子周りで見たことない。
もしかしたら───────
何も言えなくなる。
ローレンによくしてもらって。
さらには一緒に来てもらって。
迷惑いっぱいかけてるのに。
ガシガシと頭を掻き乱される。
そのまま手を引かれた。
そのまま、歩いてきた道を引き返した。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。