第15話

⚡️014 『新たなる任務』
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2026/03/29 23:36 更新

















































鎹鴉
朝ダ!!起キロ~!
あなた
……ん…ん…







































いつもより少し早い起床をしたのは






































































この鴉の伝令のせいだ。





































































夜明け──────誰かが上体を起こした音が部屋に落ちる。






































私は、瞼を薄ら開けたまま


























































ぼんやりと天井を眺めて、言葉を受け流していた。





















































鎹鴉
無限列車 ノ 被害拡大 !







鎹鴉
四十名 以上 ガ 行方不明 !





鎹鴉
現地 ノ 煉獄(れんごく)杏寿郎(きょうじゅろう) ト 合流 セヨ !






鎹鴉
直チニ 西ヘ 向カエ~ !
































無限列車……。



























煉獄杏寿郎……?









































四十名以上が行方不明……???






































あなた
……また大変そうな任務を
























ぼそ、と小さく言い放つ。












































今すぐにでも再び眠りにつきたいが、




































その望みは、騒がしい話し声によって崩れた。


































竈門 炭治郎
40人以上も……?!
我妻 善逸
よ、よよよよよ、40人?!?!絶対強い鬼じゃん!!やだやだやだやだぁ!!柱1人いれば足りるだろ!!!
嘴平 伊之助
上等だぜゴラァ!その鬼、この伊之助様がぶった斬ってやる!!









嘴平 伊之助
てか列車ってなんだ!!
あなた
走るやつ
嘴平 伊之助
走んのか!!!まあ俺様はそれより速え自信あるぜ!!!
我妻 善逸
断トツでお前の負けだよ。



















急に浮き足立ち始めた周囲を、




























私はただ他人事のようにして





























ため息をつきながら眺めていることしかできなかった。


































そんな中、































炭治郎の唇が、僅かに動く。




























竈門 炭治郎
煉獄杏寿郎って……炎柱の人?
あなた
……たぶんそう
































今にも消え入りそうな声を絞り出しても






































眠気はまだ私に重く伸し掛っていた。











































そんな中、

伊之助の視線がこちらへと移る。
















































不思議に思いながらも、私も同じく彼を見返した。








































何を言うかと思えば──────

































嘴平 伊之助
なんかコイツ、死にかけてねぇ?
あなた
……は?































──────死にかけてるってなんだよ。








































けれど、

睡魔に蝕まれている思考では、聞き返す言葉しか出てこなくて。















































そんな私の掠れた声を被せるように








































善逸が「あ〜」と口を挟んだ。

































我妻 善逸
ほんとは朝弱いからなぁあなた。だから今までちゃんと起きて訓練できてたのが奇跡……みたいな















我妻 善逸
ほら、起きろ〜。





























私の布団に重みが加わる。





























私を跨ぐことも踏むこともせず、




































ただ傍に寄るように座り込んだ善逸が、布団越しの身体をベシベシと叩き始めた。










































けれど、今の睡眠を欲している私にはうざったく感じてしまって。














































抗議とも捉えられる呻き声を洩らしながら、自分の体を布団の中へと潜り込ませる。
































































我妻 善逸
あ〜もぐんなよ~!せっかく俺がモーニングコールしてやってんのに







我妻 善逸
早く起きないともーっとしつこくしちゃうっぞっっ!デュクシデュクシ!
あなた
うざい。
嘴平 伊之助
引きずろうぜ。
我妻 善逸
そうだな。





























竈門 炭治郎
 ちょっと待つんだ2人とも!!!





























危うく私の足が掴まれる前に、炭治郎の声が割り込んだ。


















































仲裁の空気を作った炭治郎が、今や仏に見えてきた気がする。








































あなた
たんじろ………




























救いの手を差し伸べてくれた炭治郎に、私は期待に満ちた瞳で捉えた。




















































けれど──────





















































竈門 炭治郎
2対1じゃ卑怯だろう!俺はあなた側につくから!
あなた
……。


























……ん?



































我妻 善逸
……その場合のあなた側ってなんなの?
竈門 炭治郎
見守る。



我妻 善逸
よし伊之助、いくぞ。
嘴平 伊之助
おうよ!!
あなた
結局こうなんのかよ































































































蝶屋敷前──────。





















































きよちゃんたちが、何やら意気込んだ顔で腰に手を当てている。









































そして側には──────四つの大きなひょうたん。














































その大きさは、きよちゃんたちよりも上回っていて。














































そう。私たちは無限列車へ向かう前に、



































今からこれを──────破裂させなければならなかった。





















































あなた
……スゥッ














































大きく息を吸う音が、幾つも重なる。

























































そして、

酸素を胸いっぱいに取り込んだ後、











































ひょうたんに全力で吹き込んだ。
















































きよちゃん達の応援を後ろに










































私たちは──────













































バリッ──────!!





































寺内 きよ
どうぞ。









































無事、ひょうたんを破裂させることができた私たちは



































彼女たちから差し出された藤籠を受け取る。






































中身を覗き込むと、そこには数多の御握が。















































高田 なほ
いっぱい鬼を倒してくださいね。
竈門 炭治郎
頑張るよ。

































炭治郎たちを他所に、伊之助が御握を何個も手に取っている。





































騒がしいな、と思いつつ一瞬視線を外すと








































次見た時には、

そんな状況を見逃すまいと云うように、善逸が伊之助の首を絞めていた。



































我妻 善逸
今食うなって言っただろ!!
嘴平 伊之助
んあぁ?っるせえ!離せよ!!!
あなた
お前ら二人ともうるせえ。
あなた
よくそんなへらへらと立てるなぁ……!こっちは酸欠だよ酸欠!頭くらくらするし!!目回るし……っ
我妻 善逸
まって俺危険察知!未来予知!!あなた倒れる未来見えた!!!だから支える役入りまーす!!!!
嘴平 伊之助
何言ってんだテメェ。






































いざこざとしたやり取りを聞き流していると、





































気づいたら、私の覚束無い足取りは安定していて。




































──────善逸が、私の肩に手を回してくれていた。






































我妻 善逸
はい固定。ぎりせーふー。
あなた
……。
嘴平 伊之助
なんかイラつくな。ぶっ飛ばしてぇ。
あなた
うん。分かる。顔が特に。
我妻 善逸
非道!!!無慈悲!!!!薄情者!!!



































劈くような声を耳元で受け止めながら、私の視線はふと炭治郎を探り始める。






























さっきまで居た所にはもう姿が無くて





































視線をあちこちに泳がせていた時だった。










































あなた
(……あ、居た。炭治郎……と──────)




















































炭治郎を探していた私は、二人の男が話し合っている姿を目撃する。

















































内一人は、探し求めていた人。











































そしてもう一人は……



























































あなた
(……水柱?)





































































見入るように鼻先がそちらに向くと同時に、変な感覚が湧き上がってきた。





















































──────嗚呼、またこの感覚だ。





























































胡蝶さんの時と全く同じ。





















































謎の既視感。















































我妻 善逸
……あなた、どした?


































私の不可解な気持ちを遮断する様に、一つの言葉が投げ掛けられた。





































咄嗟に誤魔化そうと、私は逃すように視線を外した。




































あなた
なんもない。なんも。水柱のことなんか全然なんも。
我妻 善逸
……えなにこれ罠?わざと??え???






























私は、炭治郎がこちらに帰ってくるまで







































何とか言葉を濁し、その場を凌いだ。






































取り敢えず、誤魔化せて一息ついたが


































善逸は全て見透かしている様に、私の肩に回している腕の力を強めていた。



















































そんなこんなで、私たちはやっと蝶屋敷から旅立つ。













































いよいよ、無限列車へと──────。


















































































































冨岡 義勇
(………案の定であった。やはり、彼奴はあなたの名字の…。)























































































黄昏時──────。






































私たちは、とある駅へと足を運んでいた。









































そして同時に









































此処が、今回の任務地


































──────無限列車。

































嘴平 伊之助
お、おいおいおい……何だこの生き物は!!!
我妻 善逸
いや汽車だよ。知らねえのかよ。
嘴平 伊之助
しっ!落ち着け!!










嘴平 伊之助
まず俺が1番に攻め込む……!!
あなた
……善逸、分かる。今だけはお前と分かり合えそう。
竈門 炭治郎
待つんだ伊之助!!
































竈門 炭治郎
この土地の守り神かもしれないだろう。それから、急に攻撃するのもよくない。
我妻 善逸
いや汽車だって言ってるじゃんか。列車、分かる?
乗り物なの。人を運ぶ。
我妻 善逸
この田舎もんが。





























ここにきて、もう早速

任務の雲行きが怪しくなってきたが














































ここで更に空気を混沌とさせるように、


































伊之助が咆哮を上げた。








































周囲の視線も集まる中、そのまま列車に向かって──────








































ドンッ──────!


































嘴平 伊之助
猪突猛進!!!!!




















あなた
まっじっでっ馬鹿っっ
我妻 善逸
やめろ恥ずかしい!!!






































列車に突進した伊之助を、何とも冷ややかな眼差しで凝視する。



































するといきなり、笛の音が鳴り響いた。











































慌ただしい足音が、こちらへ近付いてくる。








































まさか──────
































駅員
何をしてる貴様ら!
駅員
……こいつら、刀持ってるぞ!!
駅員
警官だ!警官を呼べーっ!!!



































面倒な事態が起きてしまった。














































駅員の駆け付け。




































どうする、と判断を委ねるように炭治郎たちに視線を移すが










































顔を真っ青にしているのは、善逸だけだった。


































我妻 善逸
やばっ!やばいやばいやばい!!!
あなた
逃げるが勝ち。行くぞ。



























こんな状況になっても呆然として立ち尽くしている、炭治郎と伊之助を掴むと








































善逸の突発的な判断力でどこかへ駆け抜ける。











































こんなこと今思うことではないけれど




































男二人持ちながらここまでスピード出るのは凄いと感じた。





































絶対、追いかけられている今思うことではないけれど。




































我妻 善逸
伊之助のおかげでひどい目にあったぞ!謝れ!
嘴平 伊之助
はあ?!大体、なんで警官から逃げなきゃいけねえんだっ!































逃げ続けること数分後、







































何とか駅員を撒いた私たちは、汽車出発まで時間を潰していた。











































我妻 善逸
政府公認の組織じゃないからな。俺たち鬼殺隊。
あなた
刀の所持ぐらい許してくれればいいのに。まじ不便。
我妻 善逸
鬼がどうのこうの言っても、なかなか信じてもらえんし混乱するだろ。
竈門 炭治郎
一生懸命頑張ってるのに……。
あなた
だよなー。こちとらお前らの命救ってんだからなって感じ。
我妻 善逸
まあしかたねえよ…。
とりあえず、刀は背中に隠そう。






























機転が利くなと思いつつ、言われた通りに私は刀を背中へと隠す。































炭治郎、善逸と次々準備が終わりつつある時


































伊之助が突如、自信のある笑いを洩らした。































嘴平 伊之助
ンフフフフッ……!

























鼻高々として見せてきたその姿は、







































見事な程にアウト。































我妻 善逸
丸見えだよ服着ろ馬鹿






























そんなやり取りをしている内に、時間はどんどん進んでいた。






































だから、遂に





































ポォォ──────!










































我妻 善逸
やばっ、もう出発だ……!警官いるかな……?
竈門 炭治郎
いても行くしかないよ。
あなた
だな。伊之助もう行ってるし。
我妻 善逸
は?!
竈門 炭治郎
俺たちも行こう!




























進み始めた列車に乗り込むよう、線路へと飛び降りる。









































背中から、駅員の声が聞こえるが


































聞こえないふりして振り向かなかった。









































そんな中、ふと体が重くなる。












































──────誰かに羽織を掴まれた。


































あなた
おい!!掴むな!!!重いんだよお前!!!
我妻 善逸
だって離したら俺置いてかれるでしょうこの状況!!!
あなた
このままだとお前どころか私も置いてかれるっての!!
































列車の手摺りをなんとか握るも、


































善逸が、私の羽織を掴んでいてそれどころでは無い。



































正に、崖っぷちの状態に狼狽していた















































其の時──────



































竈門 炭治郎
あなた!善逸!!
嘴平 伊之助
紋逸!その黒女掴んどけ!!













































二人の差し伸べた手が、私の体を大きく持ち上げる。









































善逸は、

伊之助の掛け声通りに、羽織ではなく胴体を抱え込むように掴み直していて











































引っ張られる勢いのまま、列車の中へと強く引き寄せられた。





























あなた
……いて…危なかったな。
我妻 善逸
マジで死ぬかと思ったぁぁぁぁ……



























──────危機一髪。

































けれどそんな危機はもう忘れたかのように、私はいつもの何食わぬ顔で立ち上がる。










































すると案の定、善逸から怪訝な顔で見つめられた。



































四人、この場に立ち上がる。












































炭治郎は、

柔らかに微笑んでいて、静か。



































伊之助は、

初めて見るであろう景色に興奮している。



































そして善逸は──────何かを言いたそうに、口を震わせていた。














































私は、そんな善逸の様子に気付くなり












































発言を促すように、肩に手を添えた。











































一瞬、驚いたような表情でこちらを瞬きもせず見つめていたが















































直ぐ、何かを決心したように


















































はぁ、と息を吐いていた。



































我妻 善逸
炭治郎。
我妻 善逸
禰󠄀豆子ちゃん、連れてきてよかったのか…?



























あなた
……思った。
あなた
本部に置いといた方が安全だろうに。




































私たちの、呟くような静かな問いに












































炭治郎は僅かに目を見開いてから、












































力が抜けたように肩を下ろした。







































竈門 炭治郎
……ううん。これでいい。
竈門 炭治郎
俺と禰󠄀豆子は、どこへ行くときも一緒だ。








































































































竈門 炭治郎
──────もう離れたりしない。
































































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