2回目である。
シマの暴走族のトップ2人を前にして、2回も私の名字を述べたよこの男。
え?もしかして嵌められた感じかな。
ジリ...と辮髪──恐らくドラケンが後ろに下がるのを見て、これはまずいと感じる。
敵チームの幹部が3人も揃っている。
端的に言ってヤバい。フツーに詰んだ。
竜兄が言ってたのはコレだったのか...。
中々迎えに来ないと思ったら見捨てられた訳だな。
どうしようバレてる。このままじゃ帰れないどころかミンチでは。
あでも東卍って女に手出さないんだっけ?
いやアウトだろ。
急いで竜兄に電話をかける。今度はワンコールで出た。
さてはこの兄、運転中だな?
よく電話にでれたものだ。
話しながら幹部3人の方に視線を投げる。
向こうも向こうで、三ツ谷にどういうことか聞いているようだった。
「ただの隣の席だよ。」と笑う三ツ谷(デリカシー皆無すぎて次々と個人情報が流出)に、
「ホンモノ初めて見た。」「どうする?とりあえず集会前に帰さねェとな。」と答える金髪2人。
私もできることなら今すぐ帰りたい。
逃げ足だけはピカイチなんでね。
竜兄の返事が聞こえてからブツリと電話を切る。
ウチの兄貴がね。
またね?と言葉に若干の違和感を感じながらも、手を振って小走りで境内をぬける。
追ってこないことに驚いた。
どうやら噂は本当のようだ。今どきそんなチームあるのか。
しばらく神社の周りを彷徨いていると、バイクに股がった竜兄を発見する。
竜兄との通話履歴の横に、新しく「佐野万次郎」と登録された文字が夜の闇に光っていた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。