あれから時は流れて
あなたの所にいた敦と銀はそれぞれ
遊撃隊隊長に、首領秘書になった
殆どの奴等が、首領が亡くなってから
笑う事が少なくなった
あなたも、ヴェルレエヌの所で笑っている
様には見えるが心から笑っている
とは思えなかった
そう云う俺もあれからまともに
笑えてねェ
太宰の奴も前みたいにヘラヘラと
笑わなくなった
あなたはあの孤児院に行ける回数が
減って毎日何処か寂しそうだった
今日は首領の命日で手の空いた奴から
墓参りに行っている
俺はもう行って帰る時にあなたと
会った
久し振りに会ったあなたは昔より
痩せていて目の下に薄く隈が出来ていた
お互いの最近の話をしてから
俺は戻り、あなたは墓参りに行った
もう何度も見ている場所だけど
常に手入れされて沢山の花が添えられている
首領のお墓は見る度に少しずつ違った姿をしている
手を合わせてから花を添え
そう云ってからその場を離れた
帰り道、最近あまり寝ていないのと
食べていない所為か頭が酷く痛み、
今にも倒れてしまいそうだった
重い脚をどうにか動かして
帰路を急いだ
意識が薄れ地面に倒れそうに
なった瞬間誰かに躰を支えられた
その声だけが消えていく意識の中で
妙にはっきりと聞こえていた
目を覚ました時、目に飛び込んで来たのは
見覚えの無い景色だった
マフィアだっていう事がバレたら
マズいかと思ったけど、彼の美しい
翡翠の目で見つめられた私は動けなかった
優しく包み込むように抱きしめられ
つい、今まで抑え込んでいた涙が溢れ出した
次々と溢れる涙は止まることがなく
嗚咽を零していたが、乱歩さんは
ずっと抱きしめていてくれた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。