ある日、それは何の前触れもなく届いた。
コトン、と家の郵便受けがコトン、と小さくなった。
そこに入っていたのは、一通の手紙だった。
差出人不明の少し不気味な黒い封筒。
金色の紋章が刻まれていた。
封筒を切った。
中には一枚の便箋。
そこに書かれていたのは、短い文章。
貴殿を、特別士官養成機関《■■學園》へ招待する。
入学希望者は己が何者かと、意思表明を行うこと。
そして、戦う覚悟を持つこと。
そして、本日書類を送る。そこに貴殿の人物データを記入して、提出せよ。
追伸
人物データの書類に加え、學園案内も送る。事前にじっくり読んで、どんな場所なのかを学習しておくように。
『日本の均衡は、君たちに委ねられる』
冗談にしては、あまりに整いすぎていた。
ニュースでも見た覚えのない組織。
なのに、なぜか「知らないはずなのに知っている感覚」が、頭の奥に引っかかる。
その瞬間だった。
選ばれたのか。
それとも、巻き込まれたのか。
どちらにしても、もう日常には戻れない気がした。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。