第7話

ガラスノクツ
52
2024/08/15 11:33 更新
菊川涼介
…そんな事があったのか
杉野柚葉
お兄ちゃんの一人称が「わたし」だったから容姿以外はみんなからは変に思われなかったんだよね
菊川涼介
ごめん
杉野柚葉
え、なんで涼介が謝って…
菊川涼介
さっきの事も、子供の時に気づいてやれなかった事も……全部ごめん


外からパトカーのサイレンの音が響いてきた
杉野柚葉
私、もうアイドルやめるね
菊川涼介
え、?
杉野柚葉
こんな大事になってもう復帰なんて出来ないよ


そう言うと突然抱き寄せられ、男の子らしい強い力で抱きしめられる
菊川涼介
小学生の時の約束、覚えてる?
杉野柚葉
約、束?


すると、脳裏にわたしと男の子が小指を絡ませている情景が映し出される
杉野柚葉
…シンデレラ?
菊川涼介
そう、いつか結婚出来る年齢になったら俺がガラスの靴を履かせてあげるっていう約束
杉野柚葉
菊川涼介
2人で暮らそう。結婚は年齢的にもうちょっと先だけど
杉野柚葉
…え、?別れるんじゃ…
菊川涼介
アイドルを続けるなら、ね?


抱きしめる力を強めて、耳元で"どうする?"



と問いかけられる。



そんなもの返事は…
杉野柚葉
よろしく、お願いじまず……!!


涙と鼻声でぐちゃぐちゃになった顔を





涼介の肩にグリグリ押し付ける





横に死体が転がっている中、パトカーのサイレンをBGMに同棲を決める





そんな異常な光景が広がっていたが、




私にはパトカーのサイレンが、結婚式で響き渡る祝福の声にすら聞こえてきてしまった。

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