第14話

寮生活始まる
165
2024/01/05 13:39 更新








話が一段落つき、途切れるとリシュール王子がポン、と手を叩いた。

リシュール「じゃあ、話の通りコウタは白騎士寮ホワイト・キンガーで生活してもらう…とは言っても養父母が見つかるまでだけれどね」

上林『衣食住が無い俺としては願ってもねえことですね、ありがとうございます』

今日一日で色んなことがあった気がする……というか実際あったんだけど、ようやく落ち着ける。そこにも個性の強い人が居るかもしれないと考えると胃が痛いけど。

トーハ「俺達も早く養父母を見つけるから安心して欲しい…あとくれぐれもリシュールはコウタに厄介掛けないようにしろよ?もう成人したんだから少しは落ち着いてくれ」

リシュール「それを言うならトーハもだと思うよ。他の仕事を疎かにしないように、ね」

上林『えー何この人たち嫌味の応酬?』
バチバチと目に敵意と愉悦を浮かべ(リシュール王子は愉悦が8割だけど)会話をする王子。上流階級怖ぇ……。

ドルフ「フィール上級騎士もせいぜい、死なないように特訓するんですね」

フィール「私の指名はリシュール様を守ることだ。特訓を疎かにするなど騎士の名折れ。励むことは当たり前だ」

ドルフ「フンッ」
いやこっちもか。





殺伐とした部屋から出た後(トーハ王子がこれでもかと言うほど手を振っていた)はフィールに連れられて寮に行くらしい。ちなみに王子ズはこれからリーダー会議だそう。

コツコツと品の良い足音を立てながらフィールは歩いていく。
そういえば、とフィールは俺の方を向いてこう言った。

フィール「此処の名前は白騎士寮ホワイト・キンガーだが、此処はただ単に黒騎士が集まるから、と言うだけで名付けられたそうで、他に騎士が寝泊まりする場所が在る」

コウタ『此処めちゃくちゃデカいのに寝泊まりするところじゃねえんだ……』
頭上遥か高く、城のような建物(流石に城よりは小さいとは思うけど)がそびえ立っている。
じゃあ、ということは国のお城と、それに白騎士寮ホワイト・キンガー黒騎士寮ブラック・キンガーって言う3つの馬鹿でかい建物があるって事よな。
うわー、金持ちー。

フィール「そうか?我らは国一番の組織だ。大きいのは当たり前だろう。それに、基地が小さいと侵略してくる輩が居たら直ぐに制圧されてしまう。我らは人数が多く動き回る場所が十分にないと本領発揮ができないのだから」

コウタ『ふーん、そんなもんなんだ?』
あー、確かに日本も自衛隊基地とか敷地面積広かったなー、とか思い出す。知識と照らし合わせてみると以外に少し日本と繋がっているところがあるから面白い。

まぁ、ともあれ【寮】なんだからそこまででかく無いだろ、精々5階建てビル位だろ_____そう思っていた時期が俺にもありました。

コウタ『クッッッソでけぇなあ、おい』

10階建てくらいの高さの建物。いや、そんくらいならどこにでもあるだろって思うけど、問題は横幅。
学校。まじで学校ぐらいの広さ。教室棟と本館を合わせた大きさ。俺の記憶は学生時代なんぞ覚えていないけど(大学は覚えてるが)、そんくらいでかい。

金持ちやないかい。当たり前か。
コウタ『えー、本部位は無いけど寮も大きいじゃん。フィールの嘘つき』

フィール「そんなこと言った覚えは無いが」

コウタ『ノリじゃんノリ。マジレスやめい』

フィールは「はあ……」と何が何だか分かってなさそうだけど。
俺はまだ22歳なので若いから。若者にだってついていける。……それを大学の後輩に言ったら「そこがおっさん臭いんすよ、先輩」とか言われた気がしなくも無いが。気のせいだ。多分。

フィール「コウタ、今から君の自室になる部屋に案内する。急な事だったから設備が十分では無いかもしれないが我慢して欲しい」

コウタ『それは、まぁ俺はお邪魔してる身なんで当たり前』
あれが欲しいこれが欲しいと我儘言う歳でもないから。

フィール「……本当に君は12か?随分聞き分けがいいな」

あ、俺面倒で12歳って偽って名乗ったんだわ。忘れてた。
コウタ『この歳で聞き分けないとあとから面倒でしょ、社会に出るとそんなもんだって』
と、はぐらかしておいた。


ガチャガチャ

キィ、バタン

多少の音を出して扉が開いた。中は……
コウタ『これで設備が整っていないとは何事』

これに尽きる。寝具は勿論のこと、クローゼットや机、椅子は完備され、謎にシャワールームも付いている。
それは異世界クオリティなのか??

フィール「私は少し騎士達に事情を説明してくる。それまで部屋にいてくれ。呉々も外に出て迷わないでくれ」

コウタ『はーい』

キィ、バタン

コウタ『ふぃー、やっと息がつける……。全然休む時間なかったもんなあ……』
ベットに倒れ込むと子供の身体とはいえ、1日の疲れが襲ってきた。

コウタ『それにしても、濃い1日だったなぁ……。これが、夢、なんてこと無いだろうな』
夢にしては作り込まれすぎ、感覚ありすぎ。
正に夢物語、なんてのは都合がよすぎる。それなりに社会に揉まれてきた大人だから、俺分かる。

コウタ『はぁ……日本に、帰れるか、なぁ』
呟きながらだんだんと瞼が落ちてくるのを感じた。お眠なこの身体には抗わず、無駄にふかふかな布団に身を委ね眠りについた。





金持ちはとことん金持ちであってほしい。作者の願望です。




次回『変な騎士に囲まれるショタ』

お楽しみに!

プリ小説オーディオドラマ