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第1話

Episode.1【Day1】続
1,171
2025/09/13 17:16 更新
これの続編になります。ご覧になっていない方は、1度読んでからがオススメです。










  







1週間前、私は彼に出会った。
突如として私の部屋に現れ、そこから6日間彼と同居した。

ロスサントスという架空の街から来た彼は、透明になって消えていった。どうやらロスサントスでの肉体と、この世界の肉体で分かれており、向こうの肉体が意識を取り戻して帰るべき場所へ戻ることになったのだ。

最初はこんな非現実なこと有り得るのかと疑った。
でも、私は彼を信じた。きっかけは思い出せないけど、信じようと思った。そして彼もまた、私を信じてくれた。

そして、また会おうと約束したのだ。彼、ダーマーさんと。

いつか会えるといいな、なんて想いを馳せていた。きっと実現しないって、頭の隅では分かっていたけれど、それでも会えることを夢みていた。

ダーマーさんが帰った次の日、──私はトラックに轢かれて死んだ。
死というのはこんなにも前触れもなく、降りかかるものなのだと痛感した。今更痛感したところで、この経験を活かす場面もないのだが…
意識が飛んでそれからは、ずっと寝てるみたいな感覚になっていた。

瞼の裏で視界が揺れる。真っ暗闇に、ゆっくり光が差し込む。


朦朧もうろうとしたまま目を開けると、会いたかった人がそこにいた。

私はソファーの上に寝そべっていた。
足元には彼が座っている。もしかして、夢だろうか。
あなた
おはようございます
夢…では…ありますよね…?
  

目の先にいる彼は、満更でもない顔でやれやれといっている。
ヴァンダーマー
ふ、…頬をつねってやろうか?
あなた
えっと…遠慮しときます…
  横になったままでの会話が小恥ずかしくなって、急いで体を起こした。本当に夢じゃないのか。たしかに隣にダーマーさんがいる。それが、ただただ嬉しい。
ヴァンダーマー
また会ったな、あなたの下の名前
あなた
案外、早く会えましたね
  
隣にいるダーマーさんと顔を向き合う。何か言いたげな面持ちでこちらを見ている。
ヴァンダーマー
ところで、お前はどうやってここへ来たんだ
あなた
さぁ…私にもさっぱり…
あ、でもここに来る前に車に轢かれました
ヴァンダーマー
平気な顔でそんなことを言うな…
あなた
はは、でも私向こうで死んじゃったんだと思います。で、なぜかダーマーさんの世界に来てしまって。どうしましょう

運良くダーマーさんに会えたはいいが、今後はどうしようか。
頭を傾げていると、ダーマーさんに顎を掴まれ上げられた。
ヴァンダーマー
次は、私がお前の世話をする番だ。
お前の言う通り、向こうの世界で死んだのなら、ずっとここに居るわけだからな

あの時と逆の立場。でも私の場合は期限がない。だって向こうの世界で死んでしまっているから。本当にずっとここに居れてしまうから。
あなた
でもダーマーさん。私はダーマーの言う通りずっとここに居れてしまいます。だからこそ、ダーマーさんに甘える訳にはいかないと思うんです
ヴァンダーマー
ではこの世界で、どうやってお前は生きる?
あなた
どうやってって…アルバイトとかを探しますよ


はぁ…と頭に手を付けさせてしまった。何か問題だったろうか。
ヴァンダーマー
…そうだな、お前はこのロスサントスという街を知らなかったな

そう言うとダーマーさんは、私とは反対側に手を伸ばした。彼の体で隠れていた何かが、徐々に姿を現す。

彼の手に、黒い物ががっしりと掴まれていた。
あなた
それ……銃ですよね…?

恐る恐る聞いてみた。
でも答えは分かっている。アニメや漫画、ドラマで見たことがあるそれだったから。でも違うのが、これは偽物じゃなくて本物の銃だということだ。
ヴァンダーマー
そうだ。そして私たちはこれを常に持っている。
あなた
どうしてですか…?

ダーマーさんは、なんの躊躇いもなく言った。
ヴァンダーマー
金のため、目的のため、生きるためだ。
あなた
生きるため…
ヴァンダーマー
そういう街だ。

いっそ、その清々しさに少しずつ落ち着ついていく。でも無理やり落ち着かせたと言ってもいいだろう。
ヴァンダーマー
失望したか、あなたの下の名前。お前が向こうの世界で想像した私ではない。この街での私はただの殺人鬼だ

──殺人鬼。

ダーマーさんの言う通り、私の思っていたダーマーさんとは違ったのかもしれない。優しい彼が殺人鬼なんて、考えてもみなかった。

だけど、何かを思う前に私は、隣にいるダーマーさんを抱きしめていた。
ヴァンダーマー
…っ

ダーマーさんが言っていることは本当だ。絶対に。こんな時に嘘をつく人ではない。だから、信じざるおえない。

だから、全て受け止めてみようと思う。

この世界に落ちたのなら、溶け込んで、染まって、この街の生き方に従え。

そう思ったのはダーマーさんのおかげだ。きっと彼が支えてくれるから。そう信じる。

私はゆっくりとダーマーさんの体から離れた。
あなた
ダーマーさん、私はそれでもダーマーさんのことが好きです。失望してないです。…殺人鬼でもいいです。だから、これから私をよろしくお願いします。
  一瞬無言になった。それから彼が言った。
ヴァンダーマー
ふっ、はは、そうか、そうだな…お前はそういうやつだったな。あなたの下の名前、決心したようだが後悔しても知らないぞ
あなた
ダーマーさん、私は意地でも後悔なんてしません
  
ダーマーさんはまだ笑いをこぼしている。そんなにおかしいことを言っただろうか。でも、ダーマーさんの笑う顔を見れて良かったとも思う。
ヴァンダーマー
それでは、あなたの下の名前。お前の返事に答えよう。これからもよろしく頼む。
あなた
はい。この街ではお世話される身になりますが、やれることは私にもやらせてください。改めてよろしくお願いします、ダーマーさん

お互い顔を見合せて笑い合う。ダーマーさんの笑い方はなんだが上品だ。それでダンディーだ。
ヴァンダーマー
あなたの下の名前、お前にこの街を案内したい。この後いいか
あなた
はい、もちろん

初めての街を探索なんて、なんだがわくわくする。でもきっと危険な街だ。
ヴァンダーマー
あなたの下の名前分かっているとは思うが、街はお前の居たところとは違う。一般人にとっては危険だ。だから私から離れるなよ
あなた
そうですね、気をつけます
ヴァンダーマー
それと、街の案内が終わったら私の部下にお前を紹介したい
あなた
部下…?ですか。分かりました

ダーマーさんが立ち上がり、私に手を差し出した。私は手を取り立ち上がる。
ヴァンダーマー
それでは行こうか。楽しい観光巡りにな
あなた
なんですかその言い方、怖がらさないでくださいよ
ヴァンダーマー
ふ、ついな

そんな冗談もダーマーさんがいるから微笑める。なんだか今日は笑顔が多い日だ。これからも、そうであって欲しいと思う。


もしこの街の運命力に引かれて、私がここへ来たのなら、私の物語はこれからだ。

だから、しばらくお世話になりますダーマーさん。



































目覚めたら元同居人に遭遇しました【van】
Episode.1【Day1】続

こんばんは、さささ塔です。
なんと続きました。続編出ました。ここまで読んでくださっている方々ありがとうございます。またゆっくり更新して行こうと思います。
追加で前作の文などを改善してたりするので、良ければ見直しとして見てくださると嬉しいです!






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