あなたが、日本に帰った。
僕は、彼女を愛しすぎるあまり苦しめていたの?
僕がプロポーズをしてから、ずっと気まずくてろくに話をしていなかった。
良く考えれば、最近僕があなたに「愛してる」の言葉を告げても、返事は「ありがとう」だった...。
僕の行為はそんなにあなたを追い詰めていたの...?
ディノは部屋を出ていった。
そっと手紙を開くと、
一生懸命翻訳して書いたであろうハングル文字が並べられていた。
ハニへ。
何も言わず、日本へ帰る私を許してください。
ハニが日本に会いに来てくれた時、
すごく嬉しかった。
日本に残って、毎日私の部屋で
映画見たり、ショッピングしたり、カラオケに行ったり...
ひとつひとつが私の大切な思い出になりました。
ハニと両想いになった日、
どれだけ嬉しかったか...
今でも覚えています。
でも、今の私にはハニの思いが重たくて、
どうしたらいいのかわからなくて、
プロポーズも嬉しかったけど
素直に「はい」なんて言えなかった。
私の中には気になる人がいたから。
韓国まで連れてきてくれて、私にたくさん愛を注いでくれたハニのことも、もちろん好きだよ。
でも、私の心は今中途半端で、
このままじゃいけない気がして....。
みんなと離れることにしました。
今まで私にたくさんの愛をありがとう。
でも、ごめんね。
私がいなくても、ハニは大丈夫。
身体を壊さないように、練習頑張ってね。
日本で、応援しています。
お世話になりました。
あなた
手紙を読み終えた僕は、泣いていた。
泣いて泣いて、
所々、あなたの書いた字が滲んでいた...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。