第4話

第4話 ハプニング発生
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2018/08/18 15:56
「なんか、他のクラスのやつらしーんだけど、冬花に一目惚れしたんだとよ。まぁあくまでも噂だかんな。そこ注意」

「う、うん。わかった」

「て・か・さ~」

そこで鈴香は意味ありげにニヤリと笑い、私の顔を下から覗き込んできた。

「冬花って好きな人いんの?」

「えっっっ・・・・・・いいいないよ」

「冬花さんよ・・・バレバレだぞ」

「うっ」

私は嘘をつくのが苦手なのだ。ポーカーフェイスが私の憧れである。

「んで?誰なのさ」

「いや、別にその・・・好きっていうか気になってるだけだけど・・・・・・あ、相沢くん・・・・・・かな・・・・・・?」

「おぉー。ま確かに、アニメとか出てきそうな美男子だよねぇ」

「ちょっと!もう少し小さい声でっ」

「おお怖。恋する乙女は鬼ですな」

「からかわないでよ!もう」

すると、近くにクラスの女子が近づいてきた。

「花宮さーん」

どうやら私に用らしい。

「隣のクラスの男子が、放課後体育館裏に来て欲しいだってー」

その言葉はクラス中に響き、クラスがざわ・・・・・・と一気に騒がしくなる。

「おぉ、どうやら噂は本当だったみたいだな」

「い、いや告白かどうか分からないじゃん!」

そう言うと鈴香はワハハと笑った。

「まぁ9割は告白なんだから。頑張ってきな」

「う、うん」

私は少し複雑だったが、ゆっくりと頷いた。
その日の放課後。

私はどこか緊張しながら体育館裏に向かっていた。

(隣のクラスの男子かぁ・・・多分、いや絶対話した事無いよね・・・・・・・・・って事は一目惚れされたって事!?いやでもまだ告白か分かんないし・・・・・・)

などと悶々としているうち、いつの間にか体育館裏の近くまで来ていた。今までに無い事で心臓がバクバクとうるさい。

深呼吸をすると、私は体育館裏の方に一歩踏み出し、驚きで固まった。

1人ではなく、4人、それもチャラチャラした感じの人達が、ちょうど私の方を見ている。

(え、隣のクラスの男子って、この人達なの!?てっきり1人だと思ってた・・・・・・っていうかなんか怖い!?)

脳内パニック状態に陥っていると、リーダー格らしい人がこっちに近づいて来た。私は驚きすぎて指1本も動かせない。

「えっと・・・・・・花宮冬花さん、だよね」

見た目に反して丁寧な口調に思わず度肝を抜かれそうになるが、慌てて口を開く。

「え、あ・・・・・・はい、そう・・・です」

するとその人は照れたような笑みを浮かべ、頭をポリポリとかいた。

「あぁ、突然呼び出してごめんね。俺が呼び出した遠藤です。遠藤悟史。それで、今日は言いたい事があって呼び出したんだけど」

向こうの3人からの視線が痛い。しかも遠藤さんがすごく私の目を見てるのが分かるから、なんか顔が上げにくい・・・・・・

「花宮さんを入学式で見て、一瞬で好きになりました。俺はもう花宮さんしか考えられません。付き合って下さい」

(う、嘘・・・・・・でしょ!?)

まさかこんな人に告白されるなんて。

「え、あ、でも、まだ私遠藤さんの事何も知らないし・・・・・・あと、ちょっと気になってる人がいるんです。ごめんなさい」

これは本心だ。申し訳なさが襲ってきたが、仕方がない。

だがそれで終わらなかった。

「おいテメェ」

声がした後ろを見ると、いつの間にか3人が移動していて、私は完璧に囲まれていた。

(あ、これ嫌な予感・・・・・・)

「遠藤の告白断るとかいい度胸してんなぁ?」

「グチグチ言わねーで付き合えよ?」

「そうしないとどうなんのか・・・・・・分かってんのか?ああ?」

怖い。怖い。怖い。

遠藤さんは断られたからなのか私を脅す3人を止める事は無かった。それで余計に付き合う気は無くなる。

でも怖い。どうしよう。どうしよう。

誰か・・・・・・・・・・・・!!
突然、後ろから引っ張られ、私はバランスを崩した。が、誰かに支えられて転倒は避けた。

引っ張った人物を見て、私は更なる驚愕に目を見開く。

相沢くんがそこにいた。

「なんだよテメー」

「俺らとやるつもりか?あ?」

「そんな事しない。ただ俺は、女子が困ってるとこ見てスルーするほどバカじゃないからさ」

「部外者は黙っとけよ」

相沢くんはその言葉を無視すると、私を無理やり引っ張って体育館裏を離れた。
「うん、この辺なら大丈夫」

「あの・・・・・・ありがとう」

「ううん、俺は普通の事しただけだから。気にしないで」

(うわぁ・・・・・・さりげなく笑ったとこもかっこいい・・・・・・)

「あ、でも」

突然、相沢くんの纏う雰囲気が一変する。

「そうだな・・・・・・せっかくだし・・・・・・」

何事かをぶつぶつと呟くと、さっきまでとは違う卑屈な笑みを浮かべて言った。



 ・・・・・・・・・・・・・・
「お前、今日から俺の言う事聞け」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

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