「世界の王」。王は世界の頂点に君臨し、人々から親しまれ、尊敬される存在。しかしそれは、あくまで表向きの存在だった。世界の王は「頂点」の座を持ち、当然、人々から信頼されている。だが、その「頂点」の座を利用してこの世界の「支配者」になる事を真の目的としていた。その「王」は「支配者」になる為ならどんな手段も厭わない。総ては、「この世界」を手に入れる為に。王はどんな危険や最悪な手段でもそれの為なら何でもする。それが人々を裏切る事になったとしても。
ワルキューレが新たに仲間に加わり「世界の王」討伐に向け再び歩き出した。サクマは何気なく自然豊かな草原を歩いていると、サクマ達の元に一つの噂が舞い込んできた。その噂とは、
隣町のブリタニアへ行き、岩に突き刺さった「聖なる剣」を抜く、というものだった。抜ければ自分の武器として扱い、抜けなければ次の人に回す。その、
「伝説」のロングソードを抜くことが出来ればサクマ達にとって、最高戦力になる。抜けなかったとしても、何度でも挑戦するつもりだ。抜けなければ抜けるまで挑み続ければ良い。
つまり、剣は抜かなきゃ手に入らないらしい。
それと同時にサクマの頭に一つの疑問が浮かんできた。
言って、トールはサクマに雷撃を浴びせようとするが、寸前でワルキューレが割って話しかけてきた。
ーー何言ってんだ!会えるわけないだろ、「円卓の騎士」
なんて!!ーーと、心の中で反論するサクマ。必死に言葉を探すが思い当たらず、頭に浮かんだ言葉をそのまま言ってみた。
サクマは本当に「円卓の騎士」がいる。とは思った事が生きてきて一度もなかった。だが、ワルキューレの口からそんなサクマの心境を揺るがす一言が発せられた。
瞬間、サクマは驚愕した。元いた世界で幻影に殺され転生して、今日に至るまで「円卓の騎士」は知っていたが、その存在自体は全く信じていなかった。神話の中か、二次元の世界にしか存在しない存在だと思っていた。サクマはそこまで考えて一つの疑問に辿り着いた。ーー待て。神話?二次元?そもそも「円卓の騎士」が神話の中にいたら、それだけで存在した。という証明が着く。つまり本当に、「円卓の騎士」は実在するのかーー!!
サクマは聞いた。どうすれば「円卓の騎士」に会えるのか。「円卓の騎士」に会ったら何をすれば良いのかを。
ワルキューレは応えた。その答えは、思ったよりとても
シンプルなものだった。
トールが皮肉げに言いつつサクマはブリタニアに向け、出発の合図を掛ける。
サクマたちは、ブリタニアへと足を向けて、進んで行った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。