もうこのまま全て勝利に打ち明けよう。
そう思ったよりも早く私はその事を口にしていた。
「ねぇ。別れちゃった。アハハ」
愛想笑いをしてみるけれどそれは涙が止まらくなるだけだった。
「もう何を信じて生きていこう?健人がいないなんて…」
今までは少し連絡をとらなくても健人は私のことなんか忘れないって思ってた。
けどもう私達は恋人じゃない。
健人はどんどん離れていくだけ…
「もうっっ!どうしよう」
何故か私は勝利に向かって電話で叫んでいた…
八つ当たりにも程があるよね。
「ごめん。私勝利にも嫌われちゃうね」
「え?」
「私勝利にも嫌われたら本当に生きていけない………」
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。