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第1話

プロローグ
71
2026/01/25 09:25 更新

(なまえ)
あなた
ねえ、これあげる

差し出された手のひら。


そこには、ダイヤモンドよりも透き通った、小さな「石」が乗っていた。


あなたの好きな人の名前くんはそれを、ビー玉か何かだと思ったみたいで。


「うわ、綺麗!サンキュー!」


なんて、無邪気に笑ってポケットにしまった。





……馬鹿だなぁ。


それは、私の命の一部なのに。



私は、普通の女の子とは少し違う。


私の体の中には、真っ白な『砂時計』が隠れている。


恋をすると、その砂は「宝石」になって溢れ出し、私の心臓を少しずつ侵食していく。


お医者さんは言った。


「恋を捨てれば、もっと長く生きられる」と。


だから、私は彼に嘘をつく。


「あなたの好きな人の名前くんのことなんて、全然好きじゃないよ」


心臓を突き刺すような鋭い痛み。


ポロポロと、喉の奥から宝石が溢れ出しそうになる。


彼を好きになればなるほど、私は死ぬ。

でも、彼に嫌われれば、私はもっと醜く壊れてしまう。





ねえ、神様。


これは、恋を知った罰ですか?


それとも、彼に出会えたご褒美ですか?


(なまえ)
あなた
……本当、バカだよね。私

宝石が床に落ちる音は、

私にしか聞こえない、絶望のカウントダウンだった。



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