そんなことを杏と駄弁りながら校門近くを歩いていると、見慣れた人影があった。
杏が話をしている途中で、急に愛莉さんが逃げるように走り去っていった。
…呼吸がしづらい。急に走ったせいなのもあるだろうけれど、それよりも、今感情がぐちゃぐちゃになってるのも大きいだろう。
……本当に、悲しかった。
杏ちゃんと楽しそうにしていたのも、少し嫌だった。わたしだけを見てほしいって、我儘のことを思っちゃった。
でも、そんなことより──。
確かに、言われてみれば接点と言えるような関係ではないかもしれない。
杏ちゃんみたいに同じチームで活動してるわけでもない。
クラスメイトなわけでもない。
なんなら、同じ学校ですらない。
でも、彰人くんから見て「姉の友達」という点で、
繋がってはいたはずだった。
人より、全然多く会っていたはずなんだ。
なのに───。
気持ちが、落ち着いてきた。
…やっぱり、迷惑だったのかもしれない。
彰人くんからすれば、帰りたくない相手と帰らされて、さらに嫌ないじりをされているだけだ。
わたしも、それは分かってる。けど…でも。
……やだ、今はもう顔を見たくない。
でも…走る気力もない。
でも、そんなことを考えてる間にも、段々と彼との距離は縮まっていく。
…こんな程度で落ち込むなんて、わたしらしくないわね〜…。
まあでも、彰人くんもからかえたし、いっか!
それにしても…。
東雲彰人
桃井愛莉への恋愛的な好感度:10%アップ
現在の恋愛的な好感度:10%















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。