そう言ってオレは、ナイフで切り分けたパンケーキを口に入れる。
一体、この人にオレはどう見えているのだろうか。
もしかしたら、どんぐりを頬張るリスにでも見えているのかもしれない。
というか、そうじゃないと可愛いとはならないと思うのだが……。
ガチで、この人の思考回路がわからねぇ……。
そうして桃井さんは、視線をオレからオレの手元に
うつした。
は!?それって、間接キs……いや、落ち着け。落ち着け東雲彰人。
桃井さんのことだ、流石に知り合いといえど男が口にしたパンケーキを食べたいなんて本気で思ってるわけないだろう。
きっとオレをいじりたいだけだ…!
なら、ここでオレがすべき、行動は──
桃井さんは躊躇なくオレの食べた箇所を食べた。
……は!?いじりじゃ……なかったのか?
そしてオレは、桃井さんが使ってたフォークを使ってパンケーキを口に頬張った。
……くくく、オレをここまでいじった復讐っすよ、
桃井さん。
流石にこれで、少しは桃井さんも照れてこういうことはしなくなるはず───
やり返すため…って正直にいうのも癪だしな…。
だからといって、このままいじり続けられるのも嫌だしな……。
一体オレはどうすればいいんだ……?
桃井さんの言葉を無視して、オレは最後のパンケーキを味わう。
…あぁ、これでいいんだ。つか、こうじゃないとおかしい。
パンケーキを味わいにきたのに、桃井さんにいじられてそれどころじゃなかった。
最後くらいはゆっくり味わおう……。
……結局は最後のひときれも、桃井さんに邪魔されちまった。
でも、なんでなんだろうな。
そこまで、嫌じゃなかったんだ。
パンケーキが食えたからってのもあるが…
今日は純粋に、楽しかったな。










![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)



編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。