第51話

続き
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2024/03/10 08:00
駿佑side

居心地の良い振動を感じて目が覚めた。

あれ、車の中…?
そういえば体育のとき、倒れて…それで……。



丈一郎
「あ、起きた?」

駿佑
「じょおにぃ…なんで…?」

丈一郎
「んー?学校から電話かかってきてん」

駿佑
「そう…」

丈一郎
「みんな駿が倒れたのはボールが当たったせいやと思っとるみたいやけど実際は貧血。ボールはかすりもしてないって保健室の先生が言うとったで」



ああ、だから誰かが「危ないっ!!」って…。
その声に振り返って視界が真っ暗になって、倒れたんやった。



駿佑
「あっ流にぃは?!今お家でひとり?!」

丈一郎
「後ろで寝とるよ。さすがにひとりにはできひんかったから連れてきた」

駿佑
「…そ、か」



後ろを覗くと、窓に寄りかかって目をつむっとる流にぃが。

しんどいとこ連れ出してごめん…と心のなかで謝ったとき、丈にぃに「駿?」と話しかけられた。



駿佑
「ん?」

丈一郎
「今日、朝からあんま体調良くなかったやろ」

駿佑
「…え」

丈一郎
「ごめんな。言おうとしてくれとったのにちゃんと聞けられへんかったし、学校から電話来るまで気づけへんかって…」

駿佑
「いや、俺もちゃんと言わんかったから…丈にぃのせいやないよ」

丈一郎
「駿は優しいなぁ。あ、でも今度からは俺に無理そうやったら大吾とか和也に言ってな?」

駿佑
「うんっ」



「和也はちょっと頼りないかもやけど笑」なんていたずらっぽく笑う丈にぃ。

迷惑かけてまったけど、優しさに触れられてちょっぴり嬉しくなった。



丈一郎
「今冷蔵庫にヨーグルトあるんよ」

駿佑
「えっ食べてええん?」

丈一郎
「みんなには内緒やで?笑」



クスッとふたりで笑い合った。



-終-
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