メイド服に着替えてからハンビンさんに抱きしめられていた僕は特に抵抗することもなく立ってたけど、ハンビンさんは何か言うわけでも、するわけでもなくずっと僕のことを抱きしめ続けている。
上目遣いをしている自覚はなかったけど、多分ハンビンさんに抱きしめられてるから僕の方が少し身体が小さくなって、ハンビンさんを見上げるかたちになっちゃってるのかもしれない。
男の上目遣いなんて見苦しいし、しかもこんな格好をしてたら尚更だよね。ごめんなさいって言って離れようとしたら……
腰をぐいっと引き寄せられて、僕の耳に何かが当たった。だけど、当たったというより甘噛みされたみたいな……って、え……噛まれた??
僕の耳の横にはすぐハンビンさんの顔がある。何されたか分かんなくてハンビンさんの方に振り向こうとしたら、
" 、 ちゅっ "
タイミングよく、…って…良くはないけど、ハンビンさんもちょうど僕の方に向き直ろうとしてたみたいで、僕の唇とハンビンさんの唇がゆっくり重なってリップ音が鳴る。
僕はまたびっくりして目を見開く。お互い予想していなかった重なりだったからハンビンさんもびっくりしてるかもなって思ってたのに、数秒見つめ合ってると、突然またハンビンさんの顔がもう一段階僕の顔に近づいた。
今度は確実に偶然じゃないキスが始まって僕の唇に覆い被さるようにハンビンさんがキスをしてくる。
拙い声で止めようとすると、どうしたのとでも言うように僕のことを優しく見つめてくるハンビンさん。
いや、たとえば僕じゃなくて可愛い女の子がメイド服を着てたら百歩譲ってキスしちゃうかもしれないけど、僕かわいい女の子でもないし、さっきも思ったけど男だし……ハンビンさんの行動に理解が追いつかない。
って思ってたのに、ハンビンさんは僕が可愛いからキスをしたって言ってきた。
なんて真面目に伝えてきたけど、襲うって、もしかして
今から僕、ハンビンさんに襲われるの……??
自分で言っておきながら恥ずかしくなってきてハンビンさんの胸に顔を埋めるようにすると、また耳をカプッって噛まれた。
なんて、今度はハンビンさんが上目遣い気味に聞いてくるからコクンと頷くと、ハンビンさんは大きなため息をついて僕の肩に顔を置いてきた。
家事以外に僕がすることはなんだろうと考えながらハンビンさんの言葉を待つ。
そしたらまたハンビンさんにキスをされた。だけどさっきとは違う、短いけど熱くて優しいみたいなキス。
まいにちあいをうけとる……
僕がハンビンさんからの愛を貰う……
そう言ってまたキスをしてきたハンビンさん。
今日、一日で分かったこと。
僕のご主人様は、おじさんじゃなくてこのお金持ちでかっこいいハンビンさんだったということ。
家政婦は家事だけじゃなくて、ご主人様の愛も受け取らないといけないこと。
ハンビンさんはキス魔だということ。
全部、想定外で初めての経験。だけどこれが僕が応募したバイトの内容なんだ。契約書以外のことをさせられた
経験はないわけじゃない。
バイトを辞めさせられないように、ハンビンさんの愛を
全部、僕が受け止めてみせるんだ。
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この小説あまり自信なくて、感想くれる方いたら嬉しいです。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。