松島side
駅前で待っていると、将生が小走りでやってきた
少し息を切らしながら、整った顔立ちに汗が光っていた
橋本「ごめんなさいっ、お待たせしました!」
松島「おつかれさま、将生今日もかっこいいなぁ」
橋本「……またそういうこと言う…恥ずかしいです」
少し口を尖らせるけど、すぐに耳が赤くなる
そんな将生を見ているだけで、胸の奥がほんわかする
今日は映画をみて、その後ご飯に行く予定
どっちも将生が行きたいって言ってた場所
いつも通り将生の希望に合わせて、予定を組む
それが普通だと思っていた
松島「面白かったぁ、将生はどうだった?」
橋本「面白かったですけど、」
松島「けど?」
橋本「聡くん、いつも俺にばっか合わせてますよね」
不満というより、不安そうな声
俺は足を止めて、将生の顔を覗き込んだ
松島「合わせすぎかな」
松島「ごめん、嫌だった?」
橋本「違くて……俺だけ楽しんでて」
橋本「聡くんは我慢してるんじゃないかなって」
松島「我慢なんてしてないよ」
松島「将生が楽しそうなのが、1番嬉しいから」
橋本「……でも、俺ももっと聡くんのこと知りたい」
頬を赤らめながら俯く将生
その仕草がかわいくて、胸がきゅっとなる
松島「本当のこと言っていい?」
橋本「……はい」
松島「俺も行きたいとことかたくさんあるよ」
橋本「じゃあ、教えてください」
橋本「俺だって一緒に楽しみたいんです」
松島「そっかぁ、じゃあここのカフェ!」
松島「今から一緒に行かない?」
橋本「もちろんです!」
橋本「やっと言ってくれた……」
将生は嬉しそうに小さく笑った
その笑顔は不安が解けたみたいにやわらかかった
松島「将生に遠慮してほしくなかったんだ」
橋本「……俺も同じ気持ちですよ」
松島「これからは、お互いに話して決めよっか」
橋本「はい、その方が俺も嬉しいです」
将生がそっと俺の手を握ってくる
本当に優しすぎる人だな
人に優しいとか言うけど、将生だってすごく優しい
松島「ありがとね、将生」
橋本「俺の方こそ、ありがとうございます」
橋本「聡くんと一緒なら、なんでも楽しいです」
その言葉に、胸がじんわりあつくなった
すれ違った不安は、小さな本音を交わすだけで
消えていく
将生の可愛すぎる、小さな本音を聞けて嬉しかったな
松島「みて、このフレンチトースト美味しそう!」
橋本「やばっ、これはやばいっすよ」
橋本「聡くんってやっぱセンスいいですよね」
くすぐったいぐらいに俺のことを思ってくれてて
俺のことをたくさん褒めてくれる将生
実は、俺の方が支えられてるのかも
俺も負けないぐらい、将生のことが好きだけどね
fin













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。